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鹿追焼の三上さん全国展で入選

入選作品と同形の花器を持つ三上さん

 【鹿追】鹿追焼を制作する陶芸家の三上慶耀(本名一正)さん(49)=鹿追町商工観光課陶芸係長=の作品が、第67回日本伝統工芸展で2年連続3回目の入選を果たした。同展は日本最大規模の公募展で、「鹿追焼が新たな価値観を得て、認知度向上につながれば」と喜ぶ。

 入選したのは「青瓷(せいじ)蓮紋花器」。10年がかりで完成させた青磁の技法に、「化粧泥」と呼ばれる装飾技法を組み合わせた作品。白とピンクの釉薬(ゆうやく)を重ね、ハスの花を表現した。これまでの作品に比べ白の釉薬の透光性を高め、下地のピンクが透けて見えることを意識したという。

 「鹿追焼の価値を高めたい」と、公募展への挑戦を続ける三上さん。東日本伝統工芸展では2017年から4年連続で入賞・入選。日本展でも、満足できる作品が作れず出品を見送った1回を除き、同年から入選を重ねている。初入選から10年はかかるとされる日本工芸会の正会員に推挙されるまで、あと1回の入選にこぎ着けた。

 それでも「理想とする作品からはまだ遠い」と言う。近年取り組んできた蓮紋も「十分に表現し切れていない。本物のハスの花を見たときと同じような感動が作品から出てくるようになれば」と追求は続く。

 第67回展は9月から来年3月まで全国11会場を巡回する。道内での開催は無い。東京・日本橋三越店は16~28日。三上さんは入賞作品のほか、日本工芸会の伝承者養成研修に参加し、「無名異焼」(新潟県佐渡市)の人間国宝伊藤赤水氏の下で制作した作品も展示する。(丹羽恭太)

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