ロイヤルエクスプレス 十勝で歓迎
道内を周遊する高級観光列車「ザ・ロイヤルエクスプレス」の初便が28日午後、十勝入りした。JR帯広駅などでは地元関係者が列車に手旗を振るなど歓迎ムードを演出。車内で十勝産チーズを提供したほか、池田町ではワインパーティーを開くなど“十勝流”のおもてなしで出迎えた。
列車運行は東急、JR北海道など4社の事業。車両は東急電鉄が静岡県・伊豆で運行するモデルを使っている。十勝と釧路・知床、オホーツク・北見、旭川・美瑛・富良野の4エリアを3泊4日で周遊する。
28日は午前に札幌駅を出発し、午後、新得駅ホームで新得町観光協会の関係者が横断幕で出迎えた。その後、帯広駅で7分間停車し、2番ホームで歓迎セレモニー。水戸部裕十勝総合振興局長、米沢則寿帯広市長、梶原雅仁十勝観光連盟会長が、代表で下車した乗客3人に幸福駅の切符を贈り、乗客側は静岡県松崎町(帯広市の開拓姉妹都市)で作られた「トコブシの貝殻を使った針刺し」を関係者に贈呈した。
新得-帯広間では、幕別町職員らが、映画「糸」のロケ地となったチーズ工房NEEDS(ニーズ、幕別)を車内でPR。同社の商品「大地のほっぺ」などを乗客に提供した。
この後、池田駅に到着した乗客はワイン城屋上でワインパーティーに参加。バイオリニスト大迫淳英さんの生演奏を聴きながら十勝ワインなどを堪能した。東京都の会社員吉野博子さん(50)は「クラシカルで華やかな内装の列車の窓から見る景色は素晴らしく、映画のワンシーンのようだった」と喜んでいた。
東急の松田高広事業グループ担当部長は「北海道の素晴らしさを知っていただく機会を提供できるよう尽くしたい」と話した。
乗客はこの日、十勝川温泉第一ホテル豊洲亭に宿泊し、29日午後、釧路・知床へ向かって十勝を後にした。同列車は9月にも2回運行し、新得町のそばや共働学舎のチーズなどを振る舞う場も設ける予定だ。(本田龍之介、内形勝也、丹羽恭太、澤村真理子)