「中札内美術村」の運営などでメセナに認定 六花亭
公益社団法人・企業メセナ協議会(東京)は、企業などが実施する芸術・文化を通じた豊かな社会創造活動(メセナ)を認定する今年度の「This is MECENAT」の94社・164団体を決定した。道内企業では唯一、六花亭製菓(帯広市、佐藤哲也社長)の「中札内美術村の企画・運営」「六花の森の企画・運営」が選ばれた。
(1)プロジェクトの企画運営への主体的関与(2)企業としての芸術・文化振興活動の位置づけ(3)活動の幅広さや継続への意欲-などを審査し、認定している。尾崎元規理事長(花王前会長)らが審査に当たった。認定は1日付。
六花亭製菓は、六花の森(中札内村)の企画・運営で3年連続、中札内美術村では初の認定。同社は協議会主催の「メセナアワード」で、六花の森が昨年度、全国で2位に当たる優秀賞を受賞、2011年度には児童詩誌「サイロ」が文化庁長官賞を受賞している。
中札内美術村は1992年にオープンし、同社の花柄包装紙を描いた画家・坂本直行の記念館が開館(現在は六花の森に移設)。14万5000平方メートルの敷地内に美術館、レストラン、庭園などが整備されている。
今年は新型コロナの影響で約3カ月遅れの7月20日に営業を開始、同美術村公募展の審査員を務めたイラストレーター・安西水丸氏などの作品を六花の森から移設している。
同社は今回の認定について、「自然を資本に後世に残したいとの思いで長期的に取り組んできた。大変うれしい」(文化広報部)とのコメントを出した。
メセナ活動認定は2014年に創設、今年は道内でも展開された劇団四季による「こころの劇場」なども入っている。認定はメセナアワード(1991年開始)の応募要件になっており、「アワードの登竜門」とされている。(佐藤いづみ)