廃車部品でグラスなど開発し本格販売 マテック
総合リサイクル業・マテック(帯広市、杉山博康社長)は、道内の工房などと共同開発したオリジナルのリサイクル商品の販売を本格化させる。食器や革製品などを扱う初のアンテナショップ「マテックプロダクツストア」を、帯広市西22南3に新設した。
同社は鉄や古紙、プラスチック類など多岐にわたるリサイクル事業を展開。今回は使用済み自動車の窓ガラスや革シートなどを活用したグラス、食器、名刺入れを製作した。ガラス類は深川硝子工芸(小樽市)、皮関係はレザースタジオKAZU(滝川市)に製造を依頼し、5年ほど前から開発を進めてきた。
同社は石狩と帯広の工場で自動車を年間で3万台回収・処理し98%は再資源化。ほとんどはグラスウールや燃料などの原料に利用されている。グループ会社のエルバ北海道(帯広市)の青山豊常務は「SDGs(持続可能な開発目標)の観点でリサイクル商品の付加価値を高め、身近に感じてほしかった」と説明する。
アンテナショップは市内アルバータ通沿いの元倉庫だった建物を全面改装し、4月に開設。一部2階建て324平方メートル。事業費は約7000万円。1階は商品の販売、2階は文化作品展示スペース。当面、同社と長年つきあいのあるイラストレーターの永井博氏(東京都)の作品を展示し、地域イベント開催も受ける。
ロックグラスで1個1870円、口つき銚子で2640円、名刺入れは1万1000円など。今後は新たな商品開発も進める。
青山常務は「使うガラスに銅やマンガンを混ぜ込むことでいろいろな色合いが出るのが魅力。地域の特産品も取り扱っていく予定。十勝とリサイクルの可能性を発信したい」としている。
日曜・祝日は休業。午前9時~午後5時。問い合わせは同ストア(0155・35・7711)へ。(佐藤いづみ)