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帯南商バレー冨田監督が十勝初の全国高体連ベストコーチ表彰 全国10回出場達成

表彰状を手に「選手のおかげ」と笑顔を見せる冨田誠治監督。これを励みに今年も全国大会出場を選手と共に目指す

 帯南商高バレーボール部の冨田誠治監督(58)が、十勝から初めてとなる全国高体連バレーボール専門部のベストコーチの表彰を受けた。全国大会に10回以上チームを率いた指導者が対象で、冨田監督は昨夏の高校総体で10度目の節目を達成した。「巡り合わせがなくては成し得なかったこと。選手のおかげ。長く(帯南商に)置いてもらえたことにもありがたく思っている」と話しつつ、11度目の全国大会出場を視野に入れている。(岡部彰広)

 十勝の一市立校が札幌、旭川の強豪私学と頂点を争い続けることがどれだけ大変なことか。今でこそ南商バレーに憧れる選手が道内から集まるが、当初は管内出身者のみで全国出場を目指し、歴史を紡いできた。

 利尻高から1991年に帯南商にコーチとして赴任。97年に亡くなった高橋輝彦監督を引き継いだ。私学のようにスカウティングができない分、「十勝のバレーをつくり上げたい」と管内中学校や指導者と連携。年間200日は中学校と合同練習をするとともに南商バレーを知ってもらうことに奔走した。

 遠征も費用の面から控える一方で、通常の放課後の練習方法をブラッシュアップして強化に努めてきた。「強化には合宿を組んで強豪と試合をするのが手っ取り早い。しかしメニューが毎日変わるというくらい試行錯誤して練習を充実させてきた」(同監督)。

 2005年総体道予選では、中学での帯広選抜入りはゼロ、平均身長164センチの選手たちが旭川実を破り、同校初の全国切符を手にした。

 2年連続総体出場の06年には全国初勝利、07年には道予選決勝でセットカウント0-2から大逆転して春高にも初出場した。そのころから毎週末に道内中の小・中学、高校関係者が訪れるようになった。また練習内容はすべて隠すことなくオープンにしてきた。

 13年に体調不良で入院や手術をしたことが影響し、以後2年間、部員がそろわず廃部の危機に陥ったこともあったが、現在ではまた道内トップクラスの選手も集う。

 冨田監督は「10回全国に行けて良かった-というより、何回も(チャンスが)あったのに行かせてあげられなかった代の選手たちに申し訳ない気持ちが大きい」と22年の監督歴を振り返りつつ前を見据える。「常に新しい指導観を選手たちと学び合いたい。南商イズムを貫き、スターしかいないようなチームに勝ちたい」と決意を込めた。

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  • 冨田誠治監督は表彰を励みに今年も全国大会出場を選手と共に目指す

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