町有林を有料貸し出しへ 池田
【池田】町は4月から森林や樹木に広く親しんでもらう機会を提供する目的で、町有林の一部を利用希望者に1ヘクタール月額1万円以内で貸し出す事業を始める。自治体が保有する森林を一般に貸し出すケースは全道的に見て極めて珍しい。
町産業振興課によると、町有林の総面積は3600ヘクタールで、このうち貸し出す対象の森林はカラマツなどの針葉樹林を除く、シラカバやミズナラなどの広葉樹林で総面積の半分程度になるとみられる。
町では森林の適正な管理に努めている一方で、一般市民が森林や樹木に触れ合う機会が十分確保されていない現状にある。町独自で取り組みを展開しているが限界があるため、森林空間の利活用に興味のある者に貸し出す。
貸出期間は1カ月単位(更新あり)で、最長1年間とする。貸し出す場所は、借り手と町が事前に協議した上で決める。
利活用法としては、樹液採取や山菜採りなどのワークショップや各種イベントの開催場所を想定しており、イベントなどで収益を上げても構わない。ただし、立ち木の伐採は原則禁止としている。
町は貸し出しによる収入は、町有林野振興基金(2019年度残高見込み1億5121万円)に積み立て、町有林の管理費などに充てることにしている。同課は「森林が有するさまざまな恩恵を実感できる機会にしてもらいたい」と呼び掛けている。
問い合わせは、町産業振興課林務係(015・572・3118)へ。(内形勝也)