土のグラウンドで全開練習 白樺学園宮崎キャンプ
【宮崎】白樺学園の宮崎キャンプ(宮崎県、宮崎市)第2日は19日、市内の宮崎学園高グラウンドで行われ、いきなりの全開練習となった。昨年11月以来の広い土の球場での練習に、この日を待ちわびて準備万端だったナインは、約6時間半にわたって目いっぱいのプレー。エース片山楽生(2年)らもマウンドから全力の球を投げ込んだ。
ソフトバンクなどNPB3球団が春季キャンプ中の宮崎市のこの日の最高気温は13・2度。地元の人たちにとっては肌寒い天候ながら、日が照っていたこともあり、ナインにとっては絶好のコンディション。全力疾走、果敢な守備など昨秋と変わらぬ軽快な動きを見せた。
十勝では自校などの室内でしか練習できなかったが、「宮崎キャンプは調整の場ではない」と戸出直樹監督が話す通り、ナインは動ける体づくりをし、この日から全力で練習に取り組めるように備えてきた。
午前の練習では内外野の連係など守備が中心。屋外初日ながら速く正確な送球が随所に見られた。午後の打撃練習では各選手が外野へ鋭い打球を飛ばすなど、昨秋のグラウンド練習と遜色ない光景が広がった。
業天汰成主将(2年)は「白樺は守備のチームなので、ミスをなくすよう1週間の短い期間で仕上げたい」と話しつつ「いい出だしとなりました」と仲間の動きに目を細めた。戸出監督も「外野手の感覚が鈍っていた以外は、思ったより動けていた。例年以上のものを感じる」と手応えを得たもよう。
今キャンプは部員33人中、「自費参加であることや練習場のスペースが限られている」(戸出監督)ことから25人の参加となった。(岡部彰広、新井拓海)
フォーム安定し球速もアップ エース片山
エース片山楽生が、午前の練習の最後にマウンドから全力投球した。
年明けに体重80キロに達し、現在は81・7キロに。現在がほぼ適正体重という片山の下半身は、スピードスケート選手のように大きくなった。直球やカットボールなど16球を投げた感触は、微調整してきたフォームも安定してきており「球速アップも感じた」という。戸出直樹監督も「指が掛かり出せばもっと良くなる」と目を細めた。
このほかリリーフエースの坂本武紗士(2年)らもマウンドから全力投球した。球を受けた業天汰成主将は「向こう(十勝)では4人(の投手)とも変わっていないような気がしていたが、みんな球が走っていた」と、屋外でチームメートがしっかり成長した姿を確認し、喜んでいた。
出場記念ボールが完成 支援者にも贈呈
白樺学園が選抜出場を記念したマークを付けた練習球を作製。さっそくグラウンド練習初日に使用した。
ボールには校章などのほか「1st TIME SHIRAKABA 2020KOSHIEN」の文字がデザインされている。全部で120ダース1440球を購入。ボールを手にした業天汰成主将は「かっこいい」と満足げに球を見詰めた。
ボールはプレゼント用でもある。未使用球を公式練習で使用し、甲子園の土が擦り込まれた球を寄付してくれた支援者に贈る。
今キャンプの打撃練習用には30ダースを使用。新しい球は、しっかり飛ぶため打者にとっては調子のバロメーターとなる。守備側も実戦のように後方に伸びる打球を追う練習ができ、一石二鳥。昨秋のクリーンアップの二ツ森学(2年)は「気分良く飛んでくれる」と笑顔を見せた。