つえ代わりに手押し車を製作 足寄
【足寄】町内の星工務店会長、星勉さん(83)が、溶接などの腕を生かして自作の手押し車を製作した。取り扱いが簡単で椅子代わりにもなるとあって、知人らから注目を浴びている。
星さんは自身も高齢となったことで「つえ代わりになるようなものを」と手押し車の製作を思い付いた。10年ほど前に3輪の台車を作ったことがあり、その型をベースにしようと決めた。一般的な台車とほぼ同じサイズで、歩道などで利用できるかについては警察署に出向いて相談した。満を持して昨年秋、“初代”の手押し車が誕生。これまでに作ったのは計3台で、初代は知人に譲っている。
ホームセンターで購入したものや中古品から必要な部品を集めて製作した。手押し車は、スプリングを取り付けた自在式タイヤと自転車のタイヤ2本の3輪で、自転車に付いていたドラム式のブレーキをそのままストッパーとして利用。取っ手はスノーダンプから流用して溶接した。
荷台はエキスパンドメタルと呼ばれる鉄の網を使い軽量化も。荷台の高さは「座って休むことができるように」と、大人の膝下ほどの高さになるように工夫。車体は使用中も目立つよう、さび止めも兼ねて赤く塗装し、反射板も取り付けた。
星さんは「庭仕事などはもちろん、自動車の運転免許証を返納した後の買い物などにも使ってもらえるとうれしい」と話している。(折原徹也)