「北海道の農業者の代表のつもりで」 更別の松橋さん聖火ランナーに
【更別】松橋農場(更別村上更別)代表の松橋泰尋さん(36)が、2020年東京五輪の聖火ランナーに選ばれた。6月14日に道内を走る。持続可能な循環型農業の実現を見据え、農業や飲食店経営に精を出す松橋さんは「北海道の農業者の代表のつもりで走りたい」と意気込んでいる。
松橋さんは札幌出身。11年に結婚を機に更別へ。妻の涼子さん(38)の実家である同農場を継ぐため、同農場4代目として新規就農した。約40ヘクタールで畑作4品を生産し、12年からは肉牛の繁殖肥育を手掛ける。
「“皿の上”までを意識した生産者になりたい」と、安全安心、おいしさを徹底追求する。
14年には帯広市中心部に、全道の農家の農畜産物を提供する「農家バルFOOD BABY」を開店。昨年9月には宅配弁当サービスも始めた。
小学3年生から3歳まで2男3女の父親。「子どもたちの思い出に残れば」と昨年6月、聖火ランナーに応募した。
「次世代の子どもたちに紡ぐ」を人生のテーマとする松橋さんは、応募に際し「2030年までに挑戦したいこと」として、持続可能な農業の確立と貧困国への技術提供、フードロスを無くすための再生可能な完熟堆肥の開発などを掲げ、「子どもたちに夢と希望を与えられる農家でありたい」と思いをつづった。
12月中旬に聖火ランナー決定の通知を手にした。長男の弘之介君(上更別小3年)は自宅に届いた通知書とたすきを見て「すごいと喜んでいた」という。
十勝に来て体重が20キロ以上“増量”したという松橋さん。6月14日の本番へ「聖火ランナーにふさわしい体づくりを」とひそかに闘志を燃やしている。どの区間を走るかは3月に発表される予定。(澤村真理子)