タウシュベツの“裏の顔”写真集に 士幌の岩崎さん
【士幌・上士幌】士幌町在住の岩崎量示さん(40)が、自身4作目となる写真集「裏タウシュベツ拾遺」を出版した。上士幌町ぬかびら源泉郷内の旧国鉄士幌線コンクリート橋「タウシュベツ橋梁(きょうりょう)」を被写体に、ドローン(小型無人飛行機)で撮影した貴重な写真も数多く収録。橋の新たな一面が見られる“マニアック”な1冊となっている。
1作目の「タウシュベツ拾遺」(2015年発刊)に続き、インターネットなどで賛同者から資金の提供を募る「クラウドファンディング」を活用。昨年9月30日~10月25日の期間で目標額50万円としたところ、支援者191人から計138万円が寄せられた。
写真集は昨年12月20日に発刊。タイトルに「裏」が付くだけに、「どちらかと言えば橋の予備知識を持っている人向け。1作目とセットで見てもらえるとより楽しめる」(岩崎さん)。直近の3年間で撮影した写真の中から8000枚選び、約100点を厳選した。
その半数がドローンを駆使した写真で、橋が氷を破って現れる様子や水没後の全景など、普段は立ち入って見ることのできない橋の裏側を収めている。また、デザイナーの菊池尚美さん(帯広市在住)にイラストを頼み、写真集の顔となるカバーも初めて作った。
岩崎さんは15年間住み続けたぬかびらの地を離れ、昨年9月から士幌に住んでいる。現在も週に2、3回ほど橋に通って撮影を重ね、凍結などで劣化が進む現状を目の当たりにしている。それでも、「写真集として残すことでそれがいつか財産となるはず。橋が崩れゆくその瞬間まで撮り続けたい」と話している。
写真集はA4変形版(横)で、120ページ。500冊発行し、1冊3300円。上士幌町内のひがし大雪自然ガイドセンター、ぬかびら源泉郷郵便局でも取り扱っている。(小縣大輝)