1日にコップ2杯は牛乳を 札医大の齊藤医師が認知症予防テーマに講演
札幌医科大学医学部・神経内科学講座講師の齊藤正樹医師による医療セミナー「十勝でいきいき、みんなができる認知症の予防と最新治療~牛乳の効能を見直して、脳とからだを若返らせよう」が30日、帯広市内のとかちプラザで開かれた。十勝でも認知症患者が増える状況と併せ、予防法を伝える齊藤氏の話に、約300人が耳を傾けた。
十勝毎日新聞社が同大との包括連携協定事業の一環として主催した。齊藤氏は1992年札幌医科大学卒。同大神経内科、砂川市立病院神経内科・脳神経センター医長などを経て、19年に同大医学部神経内科学講座講師。認知症、脳卒中を専門領域としている。
講演では「年を取ると誰しも、もの忘れや意欲の低下などが出てきて、度が過ぎると認知症と診断される」と説明。さらに「帯広には65歳以上の高齢者が4万6000人いて、認知症の人が6996人、さらに認知症予備軍が6000人いる。8年前の数字と比較して計算すると、1日に1人ずつ認知症や軽度認知障害の人が増えていることになる」と現状を示した。
齊藤氏は「それでも何とかなると考えてほしい」とし、「適度な運動や栄養の摂取が認知症の原因となるフレイルやサルコペニアを防ぐ」「牛乳には筋肉のもとになる成分がたくさん入っている。健康な体を維持するために1日にコップ2杯は飲んでほしい」と語った。(奥野秀康)