音更 十勝晴駅に旧ヨーカドーのジオラマお目見え
【音更】音更町柳町南区12の私設鉄道博物館「十勝晴(とかちばれ)駅」に、帯広市西3南9にあった旧イトーヨーカドービルと周辺の建物を緻密に再現したジオラマ(立体模型)がお目見えした。同ビルと周辺の建物は解体、再開発が進む中、同ビルがオープンした44年前の世界観が広がっており、十勝晴駅を運営する穂積規さん(59)も「下校時に友人と足しげく通った記憶が鮮明によみがえる」と話している。
制作者は、中札内村在住の会社員中川忠さん(47)。今年に入り、昭和50~60年代の芽室駅前通の街並みや、1981年に閉港となった旧帯広空港のジオラマを制作し、十勝晴駅に寄贈している。今回、約3カ月というこれまでに比べて短いスパンで完成させた。
国内の鉄道模型の縮尺では一般的な150分の1サイズ。大きさは幅91センチ、高さ35センチ、奥行き50センチで、建物の素材は工作用紙を使っている。道内1号店として75(昭和50)年4月26日にオープンした当時の旧ヨーカドーが精巧に表現されており、中川さんがこれまでに制作した一つの建物の中でも最大級。「過去に同じものを作っていたが、納得いかずこのたび作り直した。前回の反省を生かしてより強度を持たせた」(中川さん)という。また、隣接する市営駐車場や帯広経済センタービルといった建物、電線、道路を走るバスのラッピング広告、看板のフォントなど細部まで忠実に再現している。
今回のジオラマは、11月17日午前10時から午後4時まで町生涯学習センターで開かれる「郷土資料室秋の資料室まつり」でも展示される予定で、穂積さんは「写真で思い出せないことを、実際に見て感じ取ってほしい」と呼び掛けている。
十勝晴駅の開館は毎週日曜午前10時~午後6時。入館無料。問い合わせは十勝晴駅(0155・31・8336)へ。(小縣大輝)