アイヌ伝統のサケ漁を体験 音更で「アシリチェプノミ」
【音更】サケを捕り、カムイ(神)に感謝の祈りをささげるアイヌ民族伝統の儀式「アシリチェプノミ」が8日、音更町内の十勝エコロジーパークで開かれ、参加者約50人がサケ漁「マレク漁」を体験した。
実行委主催で、昨年に続く2回目。十勝管内を中心にアイヌ協会、帯広カムイトウウポポ保存会の会員ら約60人が伝統舞踊などを披露した。
アイヌ民族にとってサケは最も大切な自然の恵みとされてきた。この日は神事「カムイノミ」、保存会による伝統舞踊が行われた後、サケと野菜がたっぷり入った汁物「チェプオハウ」などが振る舞われた。
マレク漁は先端にかぎ針が付いた銛(もり)「マレク」でサケを突いて仕留める漁法。放流された10匹のサケの頭の付け根を狙い、参加者は会員らの指導の下、泳ぎ回るサケに目がけてマレクを投げた。仕留めたサケはサケの頭をたたいて殺す棒「イパキクニ」で男性がたたき、神の世界へと送った。
体験した仁藤天音さん(音更鈴蘭小6年)は双子の心音さん(同)と「難しかった。アイヌ文化に興味があって、ムックリの演奏やご飯を食べられたのが良かった」と笑顔を見せた。
(松田亜弓)