高校学校制服 女子のスラックス導入校増加の動き
女子の制服にスラックス(ズボン)を採用する高校が十勝でも増えている。LGBT(性的マイノリティー)の意識の高まりの他、寒さ対策などが背景にあり、今年度からは新たに帯広緑陽や幕別清陵でも、スカートとスラックスを選べる選択式になった。学生服メーカーによると、全国的にスラックスを導入している学校はこの20年間で拡大している。(松田亜弓)
今年度開校した幕別清陵(澤田慎也校長、生徒102人)は、女子の制服をスカートとスラックスから選べるようにしたところ、スカートを着用している生徒が多いものの、スカートとスラックスの両方を購入している生徒もいるという。同校でのスラックス導入の理由は、近年広がりを見せるLGBTへの配慮に加えて、冬の寒さ対策が理由だ。
スラックスを着用している生徒は「動きやすいし、自転車にも乗りやすい」、「中学がスカートだったから高校ではスラックスを選んだ」など理由はさまざま。同校の女子制服はリボンとネクタイのどちらかを選ぶことができ、「スカートとスラックスにどう組み合わせるかも楽しい」という声もあった。
帯広緑陽も同様の理由で女子の制服にスラックスとネクタイを今年度から導入。学生服メーカー最大手の「菅公(かんこう)学生服」(岡山市)によると、女子の制服でスラックスを採用している学校は全国的に増加傾向にあり、担当者は「現在は中・高校合わせて800校ほどに納品している」と話す。
十勝では既に帯広大谷や白樺学園などでもスラックスを採用している。
このうち帯広大谷は2009年に制服を改定した際、健康面への配慮を理由に新たに採用した。保護者からは「冬のスカートは足を冷やさないか心配。選べることはいいと思う」と言う意見もあり、スカートとスラックスを使い分け、冬場にはスラックスを着用する生徒が増えているという。