世界最前線の現代アート65点 タグチアートコレクション開幕 帯広美術館
実業家田口弘氏(東京、82)が収集した国内有数の現代美術のコレクションを紹介する特別展「タグチ・アートコレクション~球体のパレット~」が16日、道立帯広美術館で始まった。国内外の作家による65点を展示し、現代美術の最前線を味わうことができる。
田口氏と娘の美和氏が親子2代にわたって収集したコレクション約470点のうち、2000年代の作品を中心に展示。草間彌生、奈良美智、オノ・ヨーコ、アンディ・ウォーホル、キース・へリングなど国内外の作家51組の作品が並ぶ。
このうち同展ポスターになっている「PixCell-Deer♯51」(2018年)は名和晃平(京都造形芸術大学大学院教授)の新作。釧路のエゾシカの剥製を、さまざまな大きさの球体で覆った作品で、角度によって見え方も変わり、来場者を引きつけている。
午前9時から行われた開会式では、野崎弘幸館長が「作品が語りかけてくる今に目を向け、楽しんでいただければ」とあいさつ。田口さんは「第4次産業革命の時代を迎え、ビジネスも新しいものを作る時代。イノベーションは時代の新しい常識をつくることで、現代アートの世界はイノベーションの宝庫。ビジネスより進んでいて行き先を暗示している」とし、「世界の最前線を見てほしい。そんな思いでコレクションした」と思いを伝えた。
6月19日まで。午前9時半~午後5時。29、5月6日を除く月曜と5月7日は休館。観覧料は一般900円、高・大学生600円、中学生以下無料。
問い合わせは美術館(0155・22・6963)へ。(松田亜弓)