ムーミンの料理が給食に登場 上士幌
【上士幌】あのメニューが給食に-。町は童話に登場するメニューを、町内の小・中学校、高校の学校給食で提供するユニークな取り組みを始めた。子どもたちに楽しく食事をしてもらうことで残食を減らすとともに、読書への関心を高めることにつなげる狙いだ。
5日のメニューは、北欧を舞台にした童話「ムーミン」に登場するツナパスタやフルーツサラダ。「釣りが趣味のムーミンパパが釣り上げたマグロを使ってパスタを作る、フルーツサラダはムーミン村に暮らす人たちの大好物-」。献立表には、手料理をめぐる温かいエピソードが紹介されている。
上士幌小学校(近藤弘子校長、児童241人)ではこの日午前、ムーミンの絵本の読み聞かせが行われたこともあり、児童たちは興奮した様子。1年の平岡未妃さん(7)は「いつもよりおいしく感じる」、6年の長谷川一紗さん(12)は「6年間の給食の中で一番わくわくした」と喜んだ。
この取り組みを発案したのは、町教委の社会教育推進員阪口香奈代さん。「本にもっと親しんでほしい」。そう考えていた折に同僚が持っていた本「ムーミンママのお料理の本」に着想を得て、町学校給食センターの北西莉乃さんに掛け合った。
北西さんもレシピをできるだけ忠実に再現できるよう試作を重ねた。
パスタのトマトソースはケチャップを加えるなどして食べやすい味付けにしたほか、サラダにはマスカルポーネチーズやバニラエッセンスを使い、特別感を演出した。
今回を機に上士幌小の廊下にある読書スペースには、ムーミンの特集コーナーも新たに設置。阪口さんは「みんな楽しそうに食べていた。給食が本に関心を持ってもらうきっかけになれば」と期待する。
北西さんは「先生たちの反応も良く、『他のブックメニューでもやってみたら』と意見をもらった。子どもに人気のジブリ作品などを取り上げても面白いかもしれない」と話していた。(安倍諒)