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春作業遅れや小麦の生育を懸念 雪不足に管内の農業者

雪がなく緑色の小麦の芽が見える帯広市内の畑

 今年の冬は例年になく降雪が少なく、農家は複雑な表情をのぞかせている。土壌の凍結が進むことで、昨年収穫しきれなかったジャガイモが雑草化する「野良イモ」を防げる半面、春作業の遅れや秋まき小麦の生育への不安が高まっている。

 帯広測候所によると、帯広市内の14日現在の積雪量は9センチで、平年の4分の1程度。管内の畑ではあちこちで表面の土が見えている。15日夜は雪になる予報だが、同測候所は「市内では積もっても5センチ程度」とする。

 通常ならこの時期、雪で覆われた畑を重機で除雪する「雪割り」が本格化している。地表を露出させて冷気にさらし、「野良イモ」を凍死させる作業のことだ。

 昨年のように天候不順で小ぶりなジャガイモが目立つと、翌年は野良イモが多くなる傾向にあるが、今年は雪割りの負担が大幅に減少した。帯広市愛国町の黒田勝史さん(46)は「今年は雪割りの必要がない。野良イモの心配が少ないのは助かる」と語る。

 半面、雪が少ないことへの心配も多い。土壌の凍結が進むと春作業の遅れが考えられるからだ。黒田さんは「凍結が続くと春に『しばれ』が抜けず影響が出る」と心配する。

 同じく市内愛国の橋本崇紀さん(42)は、昨年秋にまいた小麦への影響が気がかり。今年は畑を覆う雪がなく、緑色の小麦の芽が出てしまっている所も。「凍結で土にひび割れが起こり、根が切れてしまわないか」と不安がる。

 十勝総合振興局は「小麦は秋の生育が良かったのであまり心配はないと思うが、適度に雪がある方がよい。このまま雪が降らなければ心配は出てくる」(農務課)としている。(伊藤亮太、川野遼介)

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