旅の巨人の功績、間近に 帯広美術館で武四郎展開幕
「北海道」の命名者として知られる幕末の探検家松浦武四郎(1818~88年)の特別巡回展「幕末維新を生きた旅の巨人 松浦武四郎」が15日、道立帯広美術館で開幕した。初日から大勢の来場者でにぎわい、武四郎の生涯や足跡、功績を体感した。
同館や帯広市、十勝毎日新聞社などによる実行委員会主催。武四郎生誕200年、北海道命名150年、来年の十勝毎日新聞創刊100周年記念事業として開かれた。来年2月11日まで。
開幕に先立ち行われた開会式では、帯広カムイトウウポポ保存会がアイヌの伝統楽器ムックリによる演奏を披露。主催者を代表して林光繁実行委顧問(十勝毎日新聞社会長・主筆)が「道内では巡回展が札幌に次いで帯広で開かれたことは、十勝の発展を予見した武四郎本人にとっても喜ばしいことだろう。武四郎が北海道や日本のために尽くした最大の功績がここにある。たくさんの方に見ていただきたい」とあいさつした。
続いて武四郎の故郷・三重県松阪市の山路茂副市長が「武四郎をご縁に今後も北海道との交流を深めたい」と述べた。帯広美術館の薗部容子主任学芸員が展示の見どころを紹介し、テープカットで開幕した。
「北海道国郡検討図」や「武四郎涅槃(ねはん)図」などの地図や絵画、書物、古物などに来場者は見入っていた。札幌に続いて訪れた帯広畜産大学大学院1年の宮崎彩乃さん(23)は「歴舟川や札内川など歩いていた足跡を知ることができ、身近に感じた。手紙もきれいな状態で残っていて驚いた」と話した。(藤島諒司)
◆特別展について
・幕末維新を生きた旅の巨人 松浦武四郎-十勝毎日新聞電子版特設ページ