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北高演劇部が全道大会で初の最優秀賞

作品の舞台になった学校昇降口前のベンチで、賞状とトロフィーを掲げる(左から)長崎さん、多田さん、沼口さん

 第68回全道高校演劇発表大会(14~19日・札幌市)で、帯広北高演劇部(多田隼脩部長、部員3人)が初の最優秀賞に輝き、来年7月に佐賀県で開かれる全国高校総合文化祭(総文祭)の出場を決めた。現部員は全員3年生。来年の総文祭へ現時点では後を継ぐ部員がいないことが気掛かりだが、「(全道大会で)3人でできることは最大限できた」と達成感に包まれている。

 同部の部員は部長の多田さん(18)と元弓道部の長崎凌馬さん(18)、美術部部長で演劇部では音響や舞台美術監督を務める沼口湖紅さん(17)。今回挑んだ作品「放課後談話」は顧問の加藤真紀子教諭がこのメンバーのために書き下ろしたオリジナル脚本で、大会では「創作脚本賞」も受賞した。大会には道内各地から17校が出場した。

 作品の舞台は高校。昇降口前に置かれたベンチに座る男子高校生の「多田」と「長崎」が、高校生が共感できる話題などを交えた会話を繰り広げる。会話の中で「多田」は何度も「演劇部に入らないか」と「長崎」を勧誘する。実際、部員が2人しかいなかった部の実話が描かれている。

最優秀賞に輝いた帯広北高演劇部の「放課後談話」(全道大会、写真は提供)

 さまざまな危機的状況も乗り越えてきた3人。全道大会では「やりたいように演技ができた」と長崎さんは振り返る。「緊張して喉が渇き、うまくできなかった部分も」という多田さんも、やりきった思いは同じで、幕が下りた舞台上では拳を付き合わせた。客席で見守った沼口さんは「2人が順調に演技し、観客が笑っているのを見て、とても誇らしい気持ちになった」とうれしそうに話す。

 「『この3人でできることを最大限しよう』と、気張らず、自然な形で全力を出せたと思う」と沼口さん。結果発表で最優秀賞と読み上げられたときは、地区大会と同様、3人が互いに不思議そうに顔を見合わせたという。

 3人は来春、卒業するため、現時点では総文祭に出場できる部員が1人もいないことが気掛かり。部は現在、部員を募集中。高校3年間を演劇部に注いできた多田さんは「脚本には僕らの“リアル”が描かれている」と新メンバーの入部を期待し、「最後まで真剣に考えて話し合い、この作品に向き合っていってほしい」と願う。

 加藤教諭も「演劇はどの分野よりも表現が自由だと思う。表舞台に立つだけでなく、音響や照明などで表現する方法もある」と話している。

 同部は来年1月11日、道民活動センターかでる2・7(札幌)で開かれる「北海道高校演劇Special Day」に参加する予定(詳細は随時公式サイトで発表)。(牧内奏)


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