芽室町の岡田成人さん 徒歩で日本縦断中
【芽室】元帯広市職員の岡田成人さん(54)=町在住=が徒歩で日本縦断の旅を続けている。7月に市役所を早期退職し、沖縄県でミニホテルの開業に向け準備を進める岡田さんは、自分の足で歩くことで北海道から沖縄の距離を実感しようと徒歩の旅を決意。同15日に宗谷岬を出発し、日本最南端の有人島波照間島(はてるまじま)・高那岬を目指している。「今回の旅は、安定的な大きな組織から離れ、自立して事業を行っていく上での大きな自信となる」と話している。
岡田さんは芽室町生まれ。帯広三条高、中央大を卒業し、帯広市役所では議会事務局、障害福祉課、住宅課などを経て川西支所長で退職した。もともとは定年退職後に北海道と沖縄の2地域居住をするために沖縄県本部町に土地を購入していたが、個人で住むには広く、立地もいいことから周囲にホテル建設を勧められ、早期退職の道を選んだ。
「25歳までは社会に育ててもらい、50歳までは社会のために働き、それ以降は、自分に合った好きなこと(社会と関わりを持った)をすべきである」とする、元立命館総長の末川博氏の「人生3分論」の考えに共鳴したことも大きいという。
これまで17都道府県を通過し、11日現在の累計移動距離は2739キロ。徒歩の旅では猛暑やゲリラ豪雨に加え、台風に何度も見舞われ予定変更を余儀なくされることも。ゴール目前の今月上旬には足を故障し、鹿児島県霧島市で3日間静養した。ウオーキングシューズは現在3足目、出発時と比べ体重は約6キロ減少した。
苦しいことも多い旅の中でも「日本の美しい光景を何十回ともなく見られたこと」が財産となっている。「その土地のおいしい物を食べ、いろいろな温泉に入り、いろいろな人に出会える。日本の端から端までを、自分の足で歩いたという線でつなげられることが楽しみ」と話す。
順調にいけば14日に佐多岬、24日ごろに高那岬に到達するという。旅の様子はブログ「日本北から南へぶらぶら歩き旅」で紹介している。(澤村真理子)