ろうそく配布や焼き鳥提供 新得の若手が住民支援
【新得】できることはすぐやろう-。町商工会青年部(根本健史部長)の会員事業所が、停電で日常生活に不便を抱える住民の支援に乗り出している。「行政の活動が及ばない部分の協力に全力を注ぎたい」(同部)と話す。
葬祭業「新得はなや」(町本通北1)の今村文昭副部長は6日、店頭でろうそく6000本とマッチ300箱、火立ての無料配布を始め、屈足地区にもろうそく1200本を寄贈した。日没前には町民が続々と訪れ、「余震に備えて外出や就寝するときには必ず消すように」(今村副部長)と、注意を呼び掛けながら手渡した。町在住の主婦北川多喜子さん(69)は「若い人の善意が大変助かっている」と感謝した。
上田精肉店(町1南2)の上田隆史元部長も同日、停電で冷蔵庫が使えず臨時休業を強いられる中、秋祭り(7日、町内)に向け仕込んでいたという焼き鳥3000本を、急きょ店の前で焼いて格安販売。友人10人が運営に協力し、ジュースは無料で提供した。焼き鳥を求める長い列が絶えず、上田元部長は「料理ができずに困っている家庭の力になりたい」と汗をぬぐっていた。
2016年夏の台風で被災した経験が教訓になっているという。今村副部長と上田元部長は「普段町民の世話になっている分、こういう時にこそ力になりたい」と話す。ろうそくについては在庫がなくなるまで店舗を開け、できる限り夜通しで配布する。(小寺泰介)