砂金世界大会3位の上野さん集大成の展示 大樹
【大樹】町出身で北海道砂金史塾代表の上野保男さん(81)=帯広市在住=の所蔵品を集めた砂金史資料展が、町生涯学習センター・アートギャラリーで開かれている。上野さんが38年間かけ、世界各地で採取・収集した砂金や砂金掘り道具が並んでいる。8月8日まで。
「北海道に今も残る砂金掘り技法とその歴史」と題し、道砂金史塾、町教委が主催した。
上野さんは町内の歴舟川で砂金掘りをしたのがきっかけで砂金史研究を始め、国内のほかイタリア、ポーランド、韓国、台湾など世界各国を訪れて資料を収集してきた。1996年にイタリアで開かれた「世界砂金掘り大会」では、日本古来の砂金掘りの道具「ゆり板」を用いて出場し、日本人初の3位に入った。
今回は昭和初期の歴舟川や町旭浜での砂金掘りを写した写真、世界各地の砂金掘りの道具、実際の砂金や加工品など約300点を展示。全て説明が添えられており、砂金史について総合的に理解できるようになっている。
展示物の中には1粒が3グラムという巨大な砂金や、歴舟川で採れた砂金を精製して作った指輪など珍しい品もあり、来場者の目を引いている。
上野さんはこれまで集めた資料や道具などを後世に伝えようと、今後は渡島管内知内町など各地の資料館に寄付する予定。「砂金史研究の集大成となる展示会を大樹で開きたかった。これだけの資料が一度にそろうのは最後となるので、ぜひ多くの人に見てほしい」と来場を呼び掛けている。
入場無料。午前9時~午後10時。(船水よう子通信員)