長時間燃焼に成功 IST姿勢制御装置
【大樹】インターステラテクノロジズ(本社大樹、IST、稲川貴大社長)は2月28日、今春打ち上げを予定する観測ロケットMOMO2号機の姿勢制御装置の長時間燃焼に成功した。1号機打ち上げで機体破損の一因となった横回転(ロール)を抑える装置が完成し、2号機成功へ前進した。
姿勢制御装置は、温度約500度の燃焼ガスを機体の尾翼下2カ所から噴出させ、横回転に応じ左右に向きを変えてロケットの姿勢を保つ。28日は町浜大樹の実験場で、打ち上げ時の実際の飛行時間を上回る130秒の燃焼試験を終えた。
昨年7月に打ち上げた1号機は、横回転が想定以上に加わり、空気抵抗が最大となる高度20キロ手前で機体が破損。1号機の窒素ガス噴出による装置に代え、2号機ではロケットエンジンと同系統のエタノールを少量燃やすため、出力は5倍に向上する。
姿勢制御装置の燃焼実験は、昨年11月下旬に始め、58回の試験を繰り返した。2号機開発を統括するプロジェクトマネジャーの金井竜一朗さん(30)は「姿勢制御装置は温度、圧力とも十分な試験結果。『初号機』(1号機)より余裕を持って開発できている。打ち上げが楽しみ」と話していた。(眞尾敦)