世界に1つのベジ肉まん販売 アレルギーを考える会の平松さん
帯広の市民団体「アレルギーを考える会」の研究会員平松一海さんが16日、アレルギー対応の「ベジ肉まん」の販売を、自身が店主を務める帯広市内の中華レストラン・シェンロン(東6南16)で始めた。中華まんの食感が出るよう米粉を研究。同じく考える会研究会員の伊藤こころさんが専務を務める市内の自然食品店ナチュラル・ココが道産大豆から作ったベジミートを具に使い、オリジナルの中華まんを作り上げた。
ベジ肉まんは、同考える会が昨年の創立30周年に合わせて立ち上げた「レシピ開発部会」(部会長・平松さん)の成果の1つ。7大アレルゲン(卵、乳、小麦、そば、落花生、エビ、カニ)を使わず、おいしく仕上げている。17日に始まるアレルギー週間(23日まで)に合わせ、平松さんが自らの店で発売した。価格は1個350円。
平松さんは考える会の村上尊子会長から「ぜひ作ってみて」と背中を押され、レシピ開発に挑戦した。小麦ではなく米粉で中華まんの食感を出すところから始まった試行錯誤の日々は、1年以上続いたが、「食べたくても食べられない人のために、どうしても作りたかった」と話す。
独自の材料を見つけ、米粉の肉まんを作り上げた後、平松さんと村上会長の間で「良いものが出来たので(具に)ベジミートを使おう」とのアイデアが生まれた。
ベジミートは健康志向の人の間で肉の代替食品として浸透しているが、海外産の原料を使用したものも多い。これに対し、ナチュラル・ココは「有機栽培の道産大豆を使い、栄養価が高く、ひき肉のような食感のあるベジミートを商品化した」(伊藤さん)。同製品を組み合わせ、平松さんのベジ肉まんは完成した。米粉とベジミートを組み合わせた中華まんは、世界でも他にはないという。
考える会は1987年に発足し、料理講習会や学習会などに取り組んできた。会員はアレルギー当事者だけでなく、食品店なども含め100世帯以上に広がっている。ベジ肉まんの販売について、村上会長は「会員のコラボレーションから素晴らしいものが生まれたことがうれしい。今後もみんなの協力で新しいレシピが生まれれば」と期待を寄せている。(奥野秀康)