ペット避難受け入れ整備へ 対策会議発足
災害時のペットを連れた避難者の受け入れに関する管内関係者の連絡会議が15日、立ち上がった。同様の会議は他管内にはなく、道内では十勝が初めて。年数回の会議で先進事例を共有し、行政側の態勢整備や、避難に備えた適切なしつけなど飼い主の責務も周知を進める。
環境省のガイドラインなどで、災害時はペットとの避難が基本とされているが、具体的な定めはなく、避難所ごとに対応は異なっている。また、飼い主の責務も周知されていない。管内では2016年、17年の台風で避難勧告が出され、関心も高まっており、情報共有を進めようと十勝総合振興局が会議を立ち上げた。
振興局での第1回会議には市町村の防災、畜犬登録担当部署職員、帯広保健所、十勝獣医師会から34人が参加。振興局環境生活課の清水直子課長が「具体策はこれからというところが多い。連携して対策を進めたい」とあいさつした。
道のアンケートで、地域防災計画に受け入れの記述があったのは、管内では3自治体にとどまることが紹介され、対策の必要性が指摘された。避難所での動物専用スペース確保のほか、ペットの伝染病予防など飼い主の責務を啓発する必要性も示された。
今年度の避難所開設・運営マニュアル見直しで、ペットに関するルールを決めた芽室町が事例を紹介。16年の台風の際にペットが避難所内に入り、寝られない人がいたことなどを受けて、町民と共にまとめたと説明した。
また、獣医師会からは、「ペットがいると迷惑がかかると考えて避難しない人がいると本末転倒。情報周知とルール作りが急がれる」との意見が出された。(伊藤亮太)