伝統の舞披露 帯広カムイトウウポポ保存会が東京ドームで
【東京】21日まで東京ドームで開催中の「北海道アイヌ文化フェスタ」(道主催)で14日、文化ステージイベントが行われ、帯広カムイトウウポポ保存会(酒井奈々子会長)がアイヌの舞踊を披露した。観客も踊りに加わり、アイヌ文化理解の輪が広まった。
全国の祭りやグルメを集めた「ふるさと祭り東京2018」に合わせて開催。期間中は伝統工芸品の展示や、アイヌ民族衣装の試着体験などを行っている。
帯広カムイトウウポポ保存会はアイヌの古式舞踊や儀式の伝承、紹介に取り組み、年1回ほど東京でも披露している。今回は会場内のふるさとステージで、小学5年生から一般までの会員11人が出演した。
数十のレパートリーからエムシリムセ(剣の舞)など6曲を踊った。十勝にバッタが大量発生した時の様子を表現したバッタキウポポは、踊り手が腰をかがめて列を成し、バッタの様子を見せた。最後のポロリムセ(輪踊り)では、呼び掛けに応じて十数人の観客がステージに上がり、笑顔で一緒に踊った。
酒井会長は「お客さんの反応が良く、とてもうれしい。伝統文化について知ってもらえれば」と話していた。
同フェスタは、アイヌ民族文化伝承のため、2020年に胆振管内白老町に開設される国立施設「民族共生象徴空間」をPRする目的で開催。アイヌ文化への注目は近年高まり、17年冬季アジア札幌大会の開会式でも同保存会のメンバーらが古式舞踊を披露した。関係者によると、20年東京五輪でも、アイヌ関連のイベントが予定されているという。
(原山知寿子)