とかちプラザ利用者増 年50万人回復 視野 指定管理導入後
自主事業実施 後押し
帯広市の公共施設「とかちプラザ」(西4南13)の利用者が増加している。2012年度の指定管理者制度導入以降は右肩上がりで、16年度は49万1738人に。今年度も9月末時点で前年を15%上回り、04年度以来の年間50万人超えも視野に入っている。新たに大規模イベントの会場になったほか、多様な自主事業の実施が利用促進につながっている。
とかちプラザは定住交流や生涯学習拠点として1995年11月に開館。97年度に最多の55万1161人の利用があったが、04年度(53万615人)以降は減少傾向に。11年度には、通年では最低の40万6924人まで落ち込んだ。
指定管理者制度を導入し、オカモト(帯広)が管理・運営を始めた12年度以降は増加に転じた。今年度は9月末時点で24万6746人と前年を約3万3000人上回っている。
15年度の利用者は前年から約6万人増加した。これはおびひろ菊まつり会場がとかちプラザに移り、食イベント「とかちマルシェ」が同プラザがあるJR帯広駅南側に拡大したことが主な要因。さらに、指定管理者が積極的に自主事業を展開し、高齢者の生涯学習が中心だったそれまでから利用年齢層の幅を拡大。就学前児童とその保護者を対象にした教室や、ワインを飲みながら音楽を楽しむイベントなどを始めた。
これらの自主事業は、大集会室や1階アトリウムは飲食や飲酒が可能など、施設利用への理解を深める狙いもある。施設利用者に昨年度実施したアンケートでは、99・3%が「満足」と回答した。
今年度からは、入場料を500円に設定したワンコインコンサートを毎月開催。地元音楽家に演奏機会を提供するとともに、手軽に音楽を楽しめると市民らの好評を得ている。
一方で、和室や調理室、音響調整室など特定の部屋は利用率が低いという課題も。市は将来的に、利用の少ない部屋の用途変更なども検討する考え。同プラザの黒川明彦館長は「毎年新しい取り組みを考え、利用促進を図りたい。アトリウムは結婚式にも活用できるので、検討してもらえれば」と話す。(池谷智仁)
鉄筋コンクリート造り一部鉄骨構造6階建て。延べ床面積1万3721平方メートル。350席のレインボーホールや会議室、トレーニングルームなどがある。2016年11月に来館者1000万人を達成した。