潜水姿勢のホッカイドルニス展示 足寄動物化石博物館
【足寄】足寄動物化石博物館(澤村寛館長)は、新たな復元骨格として、ペンギンのような鳥「ホッカイドルニス」(ホッカイドウムカシオオウミウ)の潜水姿勢の展示を始めた。同館では、従来の陸上姿勢と比較することで、より正確な生態を紹介できるとしている。
同博物館によると、ホッカイドルニスは約2500万年前に生息していたペンギンモドキ(ウやカツオドリに近い種類)の仲間。1987年、網走市で化石が見つかった。北海道では唯一の化石で、現在は同館が収蔵している。
ホッカイドルニスは、ペンギンとしては最大のエンペラーペンギンより大きい、体高130センチ体長170センチの鳥。空は飛べないが、ペンギンのように翼を使って上手に泳げる。足寄町から発見されている原始的な束柱類やクジラ類と同じ海で暮らしていたと考えられている。
今回の潜水姿勢の復元骨格は、同博物館から各部位の提供と助言を受け、大阪市の海遊館が特別展として昨年度に展示していた。
同博物館の安藤達郎学芸員は「ホッカイドルニスが翼を使ってダイナミックに潜水している姿が見られ、立っている姿勢では分かりにくい、大きさも実感できる。従来のペンギンモドキの復元骨格では不明だった肩関節の様子も正確に表した」とする。
潜水姿勢の「ホッカイドルニス」の展示で、同博物館全体の復元骨格数は22体となる。問い合わせは同博物館(0156・25・9100)へ。(木村仁根)