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帯北高のレスリング清水賢亮、日本王者快挙 Jr.五輪杯

日本チャンピオンなった清水賢亮。再挑戦となる世界大会に向け「次はメダルを取りたい」と意欲を新たにする

 帯北高レスリング部の清水賢亮=けんすけ=(17)=3年=が、JOCジュニアオリンピックカップ大会2017全日本ジュニア選手権大会(4月22、23日・神奈川県、日本レスリング協会主催)男子ジュニアの部(17~20歳)グレコローマンスタイル50キロ級で、大学生らを破って優勝する快挙を遂げた。2年前の同大会男子カデットの部(15~17歳)同42キロ級での優勝以来2度目の頂点。8月にフィンランドで行われる世界ジュニア選手権への出場を決め、清水は「メダルを取りたい」と目を輝かせている。

 同階級には高校生、大学生7人が出場し、トーナメントで争った。清水は、大会前には58キロあった体重を水分や食事を制限して1週間で50キロに減量。「きつかった」と振り返り、初戦は自らの体調を推し量るように、慎重な姿勢で臨んだ。

 1回戦の相手、伊奈晃宏(法大1年)は昨年の準優勝者で、アジアジュニア選手権7位の実力者。「休みなく前に出てくるタイプでやりにくかった」と第1ピリオド(P)はそれぞれ消極的な姿勢を取られてポイント1-1。「試合に慣れるために落ち着こうとしたが、落ち着きすぎていた。焦らずポイントを重ねることを考えた」とインターバルに再度気持ちを静め、第2Pはグラウンドからのがぶり返しでポイントを奪うなどして6-1で勝利。

 「ヤマ場」と見ていた準決勝の相手は3月に新潟県で行われた風間杯全国高校選抜大会の学校対抗で準優勝した秋田商高のメンバーでもある山谷洸芽(3年)。清水同様グレコローマンを得意としており、昨年の国体少年の部と全国高校グレコローマン選手権は共に3位。先に投げを打たれて2ポイント失ったが、次の投げ技には切り返して2ポイント奪取。その後バックを取られて2-4、がぶり返しで6-4と一進一退の攻防で第1Pは8-5。第2Pは疲れの見える相手を攻め立てて巻投げなどでポイントを重ね、6-0と点差を広げてテクニカルフォール勝ちした。

 昨年の覇者、山口秀斗(神奈川大2年)との決勝は攻め込んでも受けが強くてポイントにならず、「途中で心が折れそうになった」というものの、第1P終了間際に巻投げが決まって2-1。相手がバテているのを感じ取った第2Pは胴タックルや相手の捨て身の投げ技を守ってバックを取るなどポイントを重ね、終了間際で10-1の大差をつけ、最後にフォールしての圧勝だった。今大会グレコローマン8階級中、高校生王者は清水ただ一人。

 同校の藤島忠監督は「減量で大会前はふらふら状態だった」と不安視していたが、「粘り強く、攻撃性もあり、試合をするごとにどんどん強くなっていった。大学生にパワーでもスピードでも負けていなかった」と清水の底力に驚く。

 週6日間の部活動に加え、出身の帯広レスリングクラブ(五十嵐真人代表)に週4日通ってトレーニングしている。実力が拮抗(きっこう)したライバルが身近にいない中でも、自分よりも体格で上回る部員との練習で技の研究に真剣に向き合い、日大レスリング部OBの父孝悦さん(51)=柔道整復師=もスパーリングの相手を務めている。「体を痛くしながらも練習に付き合ってくれている。優勝できて良かった」と周りの支えに感謝する。

 出場権を獲得した世界ジュニア選手権はインターハイの時期と重なる。清水はあえてインターハイを目指さず、世界での戦いを選択した。2年前に出場した世界カデット選手権では5位で、メダルにあと一歩届かなかった。「今のままではメダルは取れない。グレコに専念して今まで以上に練習する」と強い決意でメダルを奪いにいく。(大野篤志)


◆清水選手特集の記事について
JOC杯のジュニアの部(男子)グレコローマンで唯一優勝した高校生清水選手について-日本レスリング協会公式ホームページ

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