帯広刑務所の作業製品販売 北海道ホテルで4月中旬から常設
帯広刑務所(帯広市別府町、藤本真一所長)は受刑者の刑務作業製品について、4月中旬から市内の北海道ホテル(西7南19)で販売する。作業製品を外部で常設販売するのは初めて。藤本所長は「多くの人に見てもらい購入してもらえれば、受刑者の励みになる」と期待している。
刑法で規定されている刑務作業は、受刑者の矯正や社会復帰を図る目的もある。作業製品の常設販売は帯広刑務所売店のみで、外部での販売はイベントなど期間限定で実施していた。
刑務所への理解を深めてほしいと考えた、帯広刑務所帯広少年院教誨(きょうかい)師会の小澤眞了会長の仲介で実現。同ホテル1階のショップ「エブリシングノース」で販売する。
地域性あふれるエゾリスやフクロウのステンドグラス(1600~2000円程度)やガラス製のはし置き、木製はし箱の他、帯広刑務所の前身「十勝監獄」の名称が入ったメモ帳やうちわなど約10種類を販売する。藤本所長は「ホテルで販売してもらえるのはうれしい。これをきっかけに、外部での販売を広めていきたい」と話す。
庭にエゾリスが現れ、フクロウを題材にしたオブジェが並ぶホテルのイメージに合わせて商品を選択した。同ホテルの吉野祐一CS企画推進次長は「商品は丁寧に作られている。来店者の要望に応じ、商品を入れ替えていきたい」と話す。
小澤会長は、受刑者が開拓作業に当たるなど、帯広・十勝の発展には刑務所の存在は不可欠だったと指摘。「迷惑施設との考えが強いかも知れないが、地域特性があり、社会貢献にも取り組む刑務所への理解が進んでほしい」と願っている。(池谷智仁)