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しほろ牛発信 28年で幕 30日レストラン閉店 道の駅

30日で閉店する道の駅レストランのスタッフ(右端が式見シェフ)

 【士幌】道の駅ピア21しほろのレストランが、30日で閉店する。新・道の駅建設に伴い、運営主体が町物産進行公社から町内企業に移行するためで、しほろ牛をふんだんに使った士幌の食の発信地として歩んできた28年の歴史に幕を閉じる。

 同施設は町の活性化と農畜産物の消費拡大を図るため、レストランと物産館を兼ねたエリアとして1989年にオープン。97年に道の駅として登録された。

 レストランは町とJA士幌町、町商工会の出資による町物産振興公社が運営。しほろ牛をメインに地場の食材を利用した加工食品の調査や研究を行ってきた。

 開発部長を務める式見貴光シェフが赴任した2001年から少しずつメニューを増やし、10年ほど前に今の体制になった。しほろ牛の普及を図る町肉牛振興会(鎌田尚吾会長)と協力し、しほろ牛を使ったステーキやハンバーグなど地場産にこだわった食を提供してきた。

 これまではしほろ牛は道外への出荷がメインで、地元で消費されることが少なかった。そこで、目玉商品の士幌町の開拓時代を思わせる本物の剣先スコップを鉄板皿にした「剣先ステーキ」に加え、ローストビーフ丼やハンバーガーなど名物料理を考案。他にもチキンカツ定食やトンカツ定食、カレーなどバラエティーに富んだ食を提供してきた。

 食材にこだわった料理が各種メディアで取り上げられ、しほろ牛の知名度向上にも貢献してきた。しほろ牛は以前は道の駅のみでの提供だったが、あらゆる飲食店が使用するようになり、地産地消が進められてきた。夏場は道内外の観光客でにぎわい、地元の人も利用する休憩所としてなくてはならない存在になった。

 現在建設中の新・道の駅のレストラン(来年4月オープン予定)では式見シェフは手を引くが、町内の「at LOCAL」(堀田悠希社長)が請け負い、引き続きしほろ牛のステーキなどが提供される予定。式見シェフは独立し、来年3月に帯広市内に飲食店をオープンさせる。

 式見シェフは「しほろ牛を地元の人にも食べてもらえるようになり、道の駅のレストランとしての役割は果たせた」と話している。(川野遼介)


◆道の駅ピア21しほろについて
道の駅ピア21しほろに関する情報全般(剣先ステーキの写真なども)-道の駅ピア21しほろ公式ホームページ

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