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JR石勝線・根室線 4カ月ぶり運行再開

大勢の人に見送られ新得駅を出発するスーパーとかち2号(22日午前7時20分ごろ、新井拓海撮影)

十勝と道央を結ぶ鉄路復活
 台風による被害で8月末から不通となっていたJR石勝線・根室線の芽室-トマム間は22日、始発から運行を再開した。道東と道央を結ぶ特急を始め、普通列車や貨物列車が約4カ月ぶりに通常ダイヤに戻った。日常生活や観光、物流の重要な足が復活し、沿線の主要駅は歓迎イベントを開いて「一番列車」を出迎えた。

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 同区間は台風10号の接近による大雨で8月30日から運休していた。新得町と清水町で3つの橋梁(きょうりょう)が流失するなど被害が大きく、運休が長期化していた。他地区の橋の改築向けに製作した橋桁を転用するなど復旧を急ぎ、18日から4日間かけて試験走行し、電気系統を含む安全性を確認。クリスマスを含む3連休や年末年始の繁忙期前の開通にこぎ着けた。

 この日の初列車は、特急が上りの「スーパーとかち2号」で、帯広駅を午前6時45分に出発。札幌に向かうビジネスマンらが乗車した。同社の島田修社長も姿を見せ、「年末年始には間に合わせたいという思いで作業を進めた。不便をお掛けしたので、これからばん回したい。安全運行に徹して一生懸命頑張る」と語り、自ら先頭車両に乗り込んだ。列車は定刻通り午前9時半すぎに札幌駅に到着した。

 管内各駅では、札幌からの「1番列車」となる特急「スーパーおおぞら1号」の到着時間に合わせてイベントを開催。「ようこそ、とかちへ!」と書かれた横断幕やのぼり旗を掲げ、十勝総合振興局や自治体、観光団体の関係者が出迎えた。帯広駅の開札口前では、法被姿などの約20人やとかち青空レディ、ご当地キャラクターが歓迎。降車客は30人程度だったものの、笑顔と拍手で温かく迎えた。

JR帯広駅から釧路発の始発列車に乗り込む乗客(22日午前8時ごろ、折原徹也撮影)

 道央とを結ぶ大動脈の石勝線が約4カ月にわたり運休したのは、1981年の同線開通後初めての事態。JRは代行バスを運行したが、日常生活や観光、物流に大きな影響が出た。JRや同振興局などでは今後、落ち込んでいる観光需要を回復させようと、誘客キャンペーンに力を入れる。

 同駅の佐々木大輔駅長は「運休していた115日間は長かった。3連休や年末年始に間に合ってまずは一安心。今後も選ばれる交通機関を目指す」と話していた。
(安田義教、中島佑斗、小縣大輝)

関連写真

  • 運転再開の横断幕が掲げられたJR帯広駅

    運転再開の横断幕が掲げられたJR帯広駅

  • 釧路発の始発列車の到着を待つ乗客(22日午前8時ごろ、折原徹也撮影)

    釧路発の始発列車の到着を待つ乗客(22日午前8時ごろ、折原徹也撮影)

  • 札幌からの始発列車にカメラを向ける利用客(22日午前9時27分、折原徹也撮影)

    札幌からの始発列車にカメラを向ける利用客(22日午前9時27分、折原徹也撮影)

  • 帯広発の始発列車に手を振る佐々木駅長(左)らJR職員(22日午前6時45分ごろ、折原徹也撮影)

    帯広発の始発列車に手を振る佐々木駅長(左)らJR職員(22日午前6時45分ごろ、折原徹也撮影)

  • 帯広発の始発列車に乗り込み、ホームの見送りに手を振る親子連れ(22日午前6時40分すぎ、折原徹也撮影)

    帯広発の始発列車に乗り込み、ホームの見送りに手を振る親子連れ(22日午前6時40分すぎ、折原徹也撮影)

  • 帯広発の始発列車に乗り込む親子連れ(22日午前6時40分ごろ、折原徹也撮影)

    帯広発の始発列車に乗り込む親子連れ(22日午前6時40分ごろ、折原徹也撮影)

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