「総力を挙げて取り組む」 鳥インフルで高橋知事
国内今冬5件目 21万羽処分へ
北海道は16日、清水町の養鶏場で死んだ鶏から毒性の強いH5型の高病原性鳥インフルエンザのウイルスが検出されたと発表した。国内の農場での鳥インフルの発生は今冬5件目。道は17日午前7時から、この養鶏場で飼育されている21万羽の殺処分を始める。
道によると、養鶏場では採卵用の鶏を飼育。16日午前10時に十勝家畜保健衛生所に「鶏舎で約30羽の鶏が死んでいる」との通報があった。
同衛生所で簡易検査を行った7羽全てに陽性反応があり、遺伝子レベルの詳しい検査でウイルスを検出した。道は17日に殺処分を始め、地中に埋める作業などの対策を実施する。半径10キロ以内にある7戸の養鶏場を対象に飼育する計19万2000羽の移動を制限した。
道は16日夜、高病原性鳥インフルエンザ対策本部会議を開催。荒川裕生副知事が、「感染が広がれば道民の生活に大きな影響が及ぶ。感染拡大を防止し、被害を最小限にとどめるため総力を挙げて取り組む」との高橋はるみ知事の指示を伝えた。
農林水産省は同日夕、鳥インフルエンザ防疫対策本部を開催し、山本有二農水相が「まん延防止には初動対応が何より重要だ」と指示した。農水省によると、日本国内で人が肉や卵を食べて鳥インフルに感染した事例は報告されていない。(時事)