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手作り菓子の直売継承 帯広の久保さん

藤田さんの写真を手に安心・安全にこだわった菓子作りを続ける久保さん

故藤田さんのこだわり守る
 【中札内】帯広市在住のパティシェ久保博美さん(35)が、昨年亡くなった元大正の畑作農家藤田多恵子さん(当時58)の手作り菓子を受け継ぎ、道の駅なかさつないの直売所「花水山」で販売を続けている。直売所の運営会社「あんてぃー」(道見ひろみ代表)が菓子部門を立ち上げ、新たな工房も構えた。

 藤田さんは2007年、自宅に「カチポロ工房」を立ち上げた。自家製の小麦粉を使ったマドレーヌやクッキー、シフォンケーキなどを作り、花水山で販売してきた。自家製の小麦や野菜を使い、安全性にこだわった菓子は長年、人気を集めている。

 帯広市大正の農家で生まれた久保さんは帯広南商業高校を卒業し、札幌市内でアクセサリーの販売に携わった後に帰郷。菓子作りの経験はなかったが、母親と同級生だった藤田さんに誘われ、9年前の開業後まもなく2人で菓子の手作りを始めた。しかし、藤田さんは昨年12月に病気で急逝。工房は使用できなくなり、「菓子作りを続けていくのは難しいと思った」(久保さん)が、人気の菓子を受け継ごうと道見代表(57)が声を掛けた。

 道見代表は協和農場(村協和東1線)で畑作も営む。藤田さんと同じ世代でもある道見代表は「たえちゃん(藤田さん)は農村女性の代表的な存在。多くの女性たちから尊敬されていた」と親しみを持っていた。今年4月に農場横にあったあんてぃーの事務所を加工場としてリニューアル。久保さんはオーブンやミキサーなど以前から使っていた製菓道具も持ち込んだ。

 安全へのこだわりも引き継いだ。原材料を極力、十勝産にして、添加物を使わないシフォンケーキの賞味期限は2日間と短い。地場産をアピールするために、展示方法も充実させた。

 久保さんは「藤田さんとの縁がなければ、菓子作りの世界に足を踏み入れることはなかった」と思い返す。「藤田さんの『安心・安全なお菓子』を守りながら、自分なりに菓子の種類も増やしていきたい」と話している。(深津慶太)

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