カイロプラクター後藤さんリオ選手村で奮闘
【リオデジャネイロ=松村智裕】リオデジャネイロ五輪に医療スタッフとして参加している帯広市の後藤カイロプラクティックオフィス(西3南23)の後藤雅博院長(52)が、選手村で世界のアスリートに対応している。卓越した技術と持ち前の英語力を生かして業務に励み「最初は緊張したが、けがや痛みの症状が改善し喜んでもらえることが多い。非常にやりがいがある」と目を輝かせている。
帯広出身の後藤院長はニューヨーク州立大、米国のパーマーカイロプラクティック大を卒業し、博士号を取得。父義勝さん(79)が経営する施術院を継いでいる。リオ五輪・パラリンピック組織委員会の医療スタッフ選考に応募し、世界各国16人の1人に選ばれた。
後藤院長は5日に出国し、米国オレゴン州ポートランドでセミナーを受講。神経機能の正常化に関する最新技術も学び、現地時間10日にリオに到着した。カイロプラクターはノルウェーやカナダ、豪州などから集まり、後藤院長のほかに日本人も1人含まれている。この16人で選手村に近いバッハ地区に宿泊している。
後藤院長は15日を皮切りに17~19日、21~24日の計8日間を担当。ポリクリニックと呼ばれる施設で赤色主体の専用ユニホームを着用し、国も競技もさまざまな選手たちに施術をしている。
「一流選手だけあって回復が早い」と後藤院長。「ペルーの男子マラソン選手は本番前にアキレスけんの痛みがなくなり、大喜びしてくれた。こんなにうれしいことはない」と笑顔を見せる。国際オリンピック委員会(IOC)のスポーツドクターや理学療法士らとも連携。「互いに尊敬し合いながら仕事ができている」と各選手に応じた最善策を施している。
カイロプラクターは日本では法的資格が整備されておらず、今回は2020年東京五輪に向けた実績づくりの意味合いが強い。「東京五輪では世界中の優秀なドクターに活躍してほしい。選んでもらう立場ですが、機会があればまた参加したい」と意欲をにじませている。(松村智裕)
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