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上士幌高の熱気球部が小説に

上士幌高校の熱気球部をテーマにした小説「天穹のバロン」が連載されている高校のホームページ

 【上士幌】上士幌高校出身の作家野口祐加さん(31)が、同校熱気球部をテーマにした小説「天穹(てんきゅう)のバロン」を7月から同校HPで連載している。野口さんは「部活に打ち込んで熱くなっている生徒の姿を中高生に見てもらいたい」と話している。

 野口さんは高校卒業後、進学した国学院短大で児童文学やライトノベルを中心とした小説を本格的に書き始めた。デビュー作の「蒼い瞳のソラと銀の魔術書」を含め、これまでに4冊を出版している。現在は帯広畜産大学付属図書館で司書として勤務しながら、執筆活動に励んでいる。

 今回の作品は、実際に同部に所属する女子生徒1人をモデルにした青春小説。東京から北海道へ引っ越してきた主人公の莉緒が、幼少期に初めて熱気球に搭乗したときの感動を思い出して入った熱気球部での活動を描く。猪突(ちょとつ)猛進型で周りのことが見えなくなる主人公が、顧問や仲間と関わりながらパイロットの資格を取るために頑張っていく。

作品のテーマになった上士幌高校熱気球部の飛行の様子

 野口さんは「熱気球の町」として知られる上士幌で育ち、高校時代も同部に所属してたため、熱気球は特別な存在ではなかった。しかし、テレビのドキュメンタリー番組や雑誌の企画で取り上げられるのをよく目にし、数年前から熱気球を題材にした小説を書きたいと思っていた。

 執筆のため何度も高校に足を運んで生徒を取材したり、上士幌の熱気球の歴史が書かれた資料を読み込んだりした。作品のポイントは「熱気球に搭乗した上空から見える景色の描写」と「熱気球部の生徒の心情表現」。野口さんは「全国的にも珍しい熱気球の素晴らしさを伝え、上士幌に来てみたいと思ってもらえたら」と上士幌のPRも期待している。

 初回は7月26日に公開。今後、2週間に1回のペースで更新され、12月末に完結する予定。
(川野遼介)


天穹(てんきゅう)のバロン-上士幌高等学校ホームページ

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