くじの旅ネット中継 十勝の音楽家グループ
くじを引いて目的地を決め、「任務」をこなしながら進める旅をインターネット(IN)で生配信し、北海道の魅力を全国に伝えている十勝の音楽家グループがいる。これまでに5回の旅を企画したメンバーの菅野真嘉さん(33)は「人の優しさ、ぬくもりに触れることができる。北海道の良さや楽しさが伝わればうれしい」と話している。
メンバーは帯広でボーカルスクールを経営する菅野さんと、幕別の伊藤一彦さん(25)、帯広の宮崎康太さん(29)、天間順平さん(20)、廣川冠太さん(24)の5人。仕事は自営業や会社員。「ピコいち どうでしょう」と名乗り、旅の様子を動画配信サービス「ツイキャス」で生中継している。その後に編集し、動画サイト「ユーチューブ」でも発信している。
「北海道は広く、知らない場所や魅力は多い」と考え、昨年5月に最初の旅を企画。くじで決めた根室管内標津町、えりも岬などを訪れてオリジナル曲を演奏し、CDを販売した。「各地で人の温かさに触れ、感動した」(菅野さん)と、シリーズ化を決めた。
旅は大型連休やお盆、年末年始などに2~3泊の日程で実行。毎回ルールを変え、自転車で更別と士幌を巡ったり、釣りや神社に特化した回もあった。
今年5月の第5回は、車で向かう行き先と任務、道中に使える金額をくじで決めた。空知管内雨竜町で「地元の人の手にキスする」、後志管内泊村で「フェスイブックページに『いいね』を押してもらう」などの任務を実行。泊村ではバーベキューを楽しんでいた集団と交流し、飲食や宿泊の提供を受けた。
ツイキャスには「早く続きを見たい」「私もやってみたい」など全国から反響があり、生中継を見た人から差し入れもあった。旅先で出会った数人とは、現在も交流が続いている。
この企画では、鹿追町の十勝とくさ牧場「ぬくもりカフェ」がスポンサーになり、ユニホームのTシャツや旅行資金を提供。菅野さんらは旅の道中、同カフェのパンフレットを配り、十勝をPRしている。今夏には第6回の旅を予定し、宮崎さんは「旅はつらいイメージしかないが、楽しんでくれる人がいる限り続けたい」と話している。
(池谷智仁)
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