町産食材でフレンチ提供 足寄・生産者がディナー企画
【足寄】町内で農畜産業などに携わる若手生産者らが18日、自らが作った食材を使ったフレンチディナーをレストラン「ヒツジ堂」で開いた。町民40人が本格的なフルコースを堪能し、バラエティーに富んだ足寄産食材を再確認した。
企画したのは、まちづくりグループ「あしおこし隊」(隊長・沼田正俊足寄ひだまりファーム代表、隊員7人)。メンバーはヒツジ堂のオーナーで石田めん羊牧場の石田直久さん(41)、美希さん(40)夫妻と同牧場のスタッフ高橋達也さん(28)、北十勝ファームの上田七加さん(30)、しあわせチーズ工房の本間幸雄さん(35)、陶芸家の野村亜土さん(40)。3月に発足した。
ディナーは、足寄産食材を町民に広く知ってもらい、魅力を再発見してもらおうと企画。料理は石田さんの友人で、札幌でフレンチレストラン「ラ・サンテ」を経営するオーナーシェフ高橋毅さん(53)が担当した。
2部制で行い、町民40人が参加。北十勝ファームの短角牛や石田めん羊牧場のミルクラム(母乳のみで育った生後数カ月のラム肉)、足寄ひだまりファームが飼料用米で育てた「愛寄牛(あしょろうし)」、放牧酪農の牛乳を使ったしあわせチーズ工房のヨーグルトなどが振る舞われた。町内産の有機タマネギ(松田農園)や小麦で作った天然酵母パン(鳥羽農場)などもメニューに加わった。
ディナーの合間には、隊員がそれぞれ食材について説明し、生産にかける思いを発表。参加者は次々に運ばれる足寄づくしのフルコースに舌鼓を打ちながら、食材への理解を深めた。
参加した主婦目黒文子さん(39)は「地元にこんなにおいしい食材があることを改めて知った」、町商工会長の丸山勝由さん(60)は「食材はいずれも素晴らしく、ポテンシャルや力強さを再認識した」と感想を語った。また、自身の店舗で道産食材を多用している高橋シェフは「足寄の食材は魅力的。足寄には良いものを作ろうという意欲的な生産者が多い」と話した。
隊長の沼田さん(38)は「隊として初めてのイベントだったが、参加者に喜んでいただき満足。秋にはイタリアンのディナーも企画しており、今後も足寄産食材の魅力を発信しながら、町を元気にしたい」と話した。(鈴木裕之)