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手話「アイラブユー」アート展企画 青鳥舎代表理事の小川さん

「アイラブユー」を意味する手話を示し作品募集をPRする小川さん(手前の作品は紘子さんの手芸作品、その後ろにあるのが小川さん自身が手がけたが、失敗した作品の数々)

 一般社団法人・青鳥舎(幕別)代表理事の小川洋輝さん(30)が、聴覚障がいへの関心を高めようと、世界共通手話「アイラブユー」をテーマとした大規模なアート展を企画している。帯広で10月下旬の開催を目指し、副賞付きで一般からの公募を始めたほか、著名人にも直あたりで作品をオファーし、すでに漫画家の山田玲司氏らから協力を取り付けている。

 小川さんは知的障がい者支援施設などの勤務経験を生かし、2015年に発達障害を持つ子らの放課後支援施設「ことのは」(帯広市西16南5)を開設。障害者雇用のコンサルティングなども行う。同年、先天性難聴を持ちながらプロ野球・北海道日本ハムファイターズで活躍する石井裕也投手と帯広聾(ろう)学校の児童の交流も企画した。

 アート展を企画したのは、熊本地震で被災し、聴覚障害を持つ画家として以前に帯広でも活躍した乘富秀人さん=熊本市在住=が、避難先でアナウンスが聞こえずに苦労している状況などを新聞報道で知ったのがきっかけだった。

 小川さんは約3年前、近所だった乘富さんの母・紘子さん(72)=帯広在住=から「年齢的にきつくなった」と、「アイラブユー」の手作り小物の製作・配布を通じた聴覚障害への啓発活動を託されていた。ただ「自分で小物製作に挑戦してみたが失敗ばかり」(小川さん)で、どう意思を受け継ぐか悩んでいたが、今回「自分で作れなかったら、作品を集めよう」と公募のアート展を発案した。

 募集している作品は、手話「アイラブユー」の手の形をモチーフにした作品。写真や水彩画、グラフィック、彫刻、粘土などで、表現は自由。プロやアマは問わない。法人の独自企画で、最優秀作品には一般賞金1万円、小学生図書券5000円分を贈呈。作品目標は300点で、近く市町村の教育委員会などにも協力を求める。

 同時にアート展としての価値を関心を高めようと、漫画家や絵本作家などにも目的などを明記した上で協力依頼文を送付。現段階で「ゼブラーマン」や「絶望にきく薬」などで知られる山田氏や石井投手から作品提供の内諾を得たという。

 問い合わせは「ことのは」(0155・29・4873)。同法人で2人の難聴者を雇用する小川さんは「少しでも聴覚障がいのことが認知される社会になってほしい。筆談や身ぶり手ぶり、口の動きなど今自分が持つスキルで十分。手話を広げるだけが目的ではなく、今の私たちでもできる対応があることを伝えたい」と話している。
(佐藤いづみ)

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