恵方巻き、予約数は十勝でも年々増加傾向
2月3日の「節分」の夜に、その年ごとに縁起が良いとされる方角を向いて頬張る「恵方巻き」。元来は関西地方を中心とする風習だったが、近年は十勝でも浸透し、管内のすし店やスーパーなどでは毎年、予約数を増やしている。今年の恵方は南南東-。
帯広の江戸前すし友(西18南3)では「客からの要望で、15年以上前に恵方巻きとして作り始めた」(藤平孝征店長)という。全国海苔(のり)貝類漁業協同組合連合会が定める「海苔の日」(2月6日)が近いこともあり、海苔業界も恵方巻きを一大商機と捉えて力を入れており、同店にもポスターなどの販促グッズが届けられている。
近年は変わり種や生ずしも人気だが、同店の恵方巻きの具材は玉子、かんぴょう、シイタケ、キュウリといった“王道”。竹内養鶏場(音更)の黄身が白い卵をはじめ、かんぴょう、シイタケも煮るところから手作りなど、こだわりを貫いた太巻き(1本400円)で節分当日まで予約を受け付ける。
作り置きはせず、当日は予約の時間に合わせて300本以上を巻くという。家族やパート従業員が総出で節分の夜に備える。
回転ずしの羽衣亭芽室店(芽室町東8ノ9)の横山誠店長は「今年の予約は昨年並みだが、数年前に比べると3、4倍にも」と、恵方巻きが十勝でも急速に広まり、定着してきたことを実感する。同店の恵方巻きは太巻きの他、海鮮をたっぷり用いた生巻きずし(1本税別870円)がメーン。サーモン、イクラ、マグロ、甘エビ、穴子など10種類の具材がぎっしりと入る。
スーパーでも毎年、予約が増えているという。フクハラでは「恵方巻き商戦はここ数年で、総菜コーナーの年に1、2を争う一大イベントになった」(デリカ担当バイヤーの社内充さん)。今年も既に前年を上回るペースで予約が入っており、28日正午までの予約期間中、店頭にコーナーを設け、リーフレットを配布するなどしてさらなる上積みを目指す。(大谷健人)
陰陽道で福をつかさどるとされる「歳徳神(としとくじん)」がいる方角とされる。甲、乙など、その年の十干(じっかん)で「東北東」「西南西」「南南東」「北北西」の4つの方角のいずれかとなる。丙(ひのえ)年の恵方「南南東」は、JR帯広駅を中心とすると、大通南20の西南大通との交差点や幕別町の途別小、明倫小の方角。