「ふるさと歌留多」製作大詰め、新得短歌会
【新得】新得短歌会(小野洋子会長、会員13人)が新得町の歴史や自然、産業、文化などにちなんだ「しんとくふるさと歌留多(かるた)」の製作に取り組んでいる。一般から募集したキーワードを基に会員が詠んだ短歌と、取り札の絵も町民有志らが描いた町民手作りのかるた。絵札用の原画も仕上がり、印刷へと大きく前進。3月中旬に完成する。
1967年に結成され、2017年に創立50周年を迎える同会は、記念事業の一環としてかるた製作を前倒しして企画。かるたに使用する新得に関わるキーワードや短歌は、昨年7月下旬に町内の小・中・高校の協力をはじめ、町公民館、屈足支所などの窓口に募集箱を設置して公募し、「そば」「新得山」「彼岸桜」「ひぐま」など約340点もの応募があった。8月下旬から会員が4班に分かれてキーワードを組み合わせながら140首余りの短歌を詠んだ。100首に絞り込む選歌と推敲(すいこう)作業は11月までかかった。製作委員長を務めた樋口かおりさんは「キーワードが多く集まり、選考や短歌にまとめるのに想定時間の3倍はかかった」と振り返る。
苦労の末に読み札となる短歌が完成すると、取り札となる絵札の原画を絵画に取り組んでいる町内の高校生を含む有志11人に依頼し、樋口さんが教諭を務める新得高校の生徒9人と教諭3人も協力した。それぞれが短歌のイメージに合わせて絵を描き、芸術性の高い風景画から高校生の若さが感じられるイラストなどさまざまなタイプの絵が集まった。樋口さんは「それぞれ個性的で味のある絵ばかり。新得ならではの手作り感がある」と話す。
22日には会員7人が町公民館に集まり、短歌と絵を付き合わせる確認作業を行った。
かるたは1セット100枚。絵札は表側が上の句の頭文字を印字したいろはがるたとし、裏側は下の句を大きく印字して万葉がるたとしても遊べるようする。200セットを製作し、学校や老人クラブ、いきいきサロンなどに配布。一部は販売もする。制作費は150万円で、うち100万円は「町夢基金」の事業認定を受けた。
小野会長は「自分たちも短歌を合作するなど楽しませてもらった。子どもも大人もかるたを通して古里への関心を高めてもらえたら」と完成を心待ちにしている。(大野篤志)