りくべつ鉄道を世界にPRへ 世界保存鉄道会議
【陸別】ふるさと銀河線りくべつ鉄道(町商工会運営)の取り組みが、世界保存鉄道会議(WATTRAIN=ワット・トレイン)の日本大会(23~26日、東京など)で紹介されることになった。発表する同鉄道の杉本武勝事務局長(54)は「国内外にりくべつ鉄道をPRする絶好の機会」と張り切っている。
日本大会には英国、米国、ドイツ、イタリア、オーストラリア、アルゼンチンの鉄道関係者ら30人余りが来日する予定。日本からは日本鉄道保存協会(代表幹事団体・交通協力会、44団体)会員ら約50人が参加する。
同協会にはJR各社の他、十勝関係ではふるさと銀河線りくべつ鉄道、NPO法人ひがし大雪アーチ橋友の会が加盟し、鉄道の保存活動に取り組んでいる。同鉄道が気動車の運転体験など「世界でも珍しい取り組みを行っている」(同協会事務局)として、杉本事務局長が日本代表のプレゼンテーターに選ばれた。
26日午前、東京ステーションコンファレンスで開かれる会議2日目で約30分間、プレゼンテーションを行う。日本代表の発表は同鉄道を含め4例。
当日は、1910(明治43)年の国鉄網走線開通、同池北線の廃止、第3セクター「ふるさと銀河線」の運行・廃止を経て、現在、動態保存に至った歴史的な経緯を紹介。鉄道が地域振興に果たしてきた役割や今後の事業展望などについても語る。
杉本事務局長は「廃線や列車を再活用するというアイデアは地域の観光振興や経済効果をもたらした。りくべつ鉄道の知名度が上がり、陸別・十勝に海外観光客が増えるきっかけになれば」と話している。(鈴木裕之)
世界の歴史的な鉄道車両などの保存・活用を進める国際的な連合体。英国、ドイツ、米国、アルゼンチンなど世界各国の団体によって2001年、イギリスの国立鉄道博物館で第1回が開催された。03年以降は3年に1度、欧州や南米などで開催。日本での開催は初。日本は日本鉄道保存協会が09年のオーストラリア大会から参加している。