ジャガイモアートほぼ完成 芽室
【芽室】帯広市出身の現代美術家浅野修さん(78)=鎌倉市在住=が代表を務める「NPO十勝めむろ赤レンガ倉庫」が町内の赤レンガ倉庫(東3南1)を舞台に制作を進めてきた「巨大ジャガイモアート」が、3年半の制作期間を経てほぼ完成した。28~30日に関係者を招いてプレオープンし、10月1日から一般公開する。
「ジャガイモアート」は農業や食文化の発信を目的に、2012年4月に制作がスタートした。「使われなくなったもの」「捨てられたもの」をアートの素材として選び、農協倉庫として使われていた築90年超の赤レンガ倉庫を制作の舞台とした。
カラマツの廃材を用いて骨格を、ボール紙や卵ケースなどを紙すきして皮を作り、高さ6メートル規模の巨大な「ジャガイモ」を制作。その内部や周辺には、世界中の子供たちが描いた絵や造形物など「食の小作品」を展示する。
子供たちの作品は、管内をはじめ全国でワークショップを開いて集めた。アフリカやパレスチナなど紛争地域で子供たちに絵を描いてもらう活動に取り組む人や、NPO、青年海外協力隊(JICA)、浅野さんが審査員を務めるカナガワビエンナーレ国際児童画展の協力も実現し、既に世界100カ国以上から約1万点が集まっている。
同アートは一部作業を残してほぼ完成。一般公開を目前に、浅野さんは「世界の子供の作品が集まり、イメージしていた部分を超えるものになっている。食文化だけではなく、『豊かな暮らし』というものについても考えさせられる」と話している。
年内の一般公開は10月31日までで午前10時半~午後5時。月曜休館(月曜が祝日の場合は火曜休館)。来年4月末から公開を再開する予定。プレオープンの3日間は各日とも午後1時半~同3時半に、オープニングセレモニーやライブ・パフォーマンスなどが行われる。(大谷健人)
◆NPO十勝めむろ赤レンガ倉庫について
・NPO十勝めむろ赤レンガ倉庫-公式ホームページ