中札内中の鳥倉さん、宮内さん 広島の平和記念式典へ
【中札内】中札内中学校(中野安博校長、生徒104人)の生徒会長・鳥倉捺央さん(3年)と副会長・宮内双葉さん(同)が、8月6日の平和記念式典に合わせて村民から託された千羽鶴を持ち広島県へ出発する。「戦争や原爆の悲惨さを二度と繰り返してはならない」と村が初めて派遣するもので、2人は「平和を願うみんなの思いを届けたい。歴史の勉強でしか知らなかった場所を肌で感じたい」と張り切っている。
村は1995年9月25日に非核平和宣言を行い、戦没者の冥福を祈る6月の平和祭に合わせたパネル展などを開催してきた。今年は、同宣言制定から20周年の節目を迎えることに加え、戦後70周年にも重なる。村は記念事業として61万円の予算を組み、小中学生を対象にした絵画展など3事業を実施。今回の派遣は同事業の目玉として位置付けている。
2人には村職員1人が付き添い、夏休み期間中の8月5日に出発する。式典参列と千羽鶴を献納する他、原爆ドームや資料館の見学など、スケジュールの詳細は今後調整する。2泊3日で7日に帰勝する予定で、体験を作文にまとめて発表することも考えているという。村は「戦争や原爆の記憶が薄れていく中、若い世代にこそ悲惨な戦争について知ってほしい」と力を込める。中野校長も「記憶をつないでいくことが大事。体験を伝えてほしい」と期待している。
村では「ピースアクション~折り鶴でつなぐ平和の心~」として、15日から7月16日までの期間を設け、村内の保健センターと上札内交流館、道の駅なかさつない、文化創造センター内図書館に、指定の折り紙と回収箱を設置し、村内全域で広島県へ届ける折り鶴を募集する。宮内さんは「村民代表として、全員の思いを背負うつもりで行く。原爆の恐ろしさを自分の目で確かめて伝えたい」と話す。鳥倉さんは「祖父母の戦争体験などと合わせて色んな角度から自分の体で吸収したい。広島へ持っていく千羽鶴を、皆さん折ってほしい」と呼び掛けている。
折り鶴に関する問い合わせは村役場総務課総務グループ(0155・67・2311)へ。(小寺泰介)