東海大四大旗へエール 加藤雄人投手(札内東中出)に応援の声
「ここまできたら優勝を!」「マウンドで投げる姿が見たい」-。甲子園球場で行われている選抜高校野球で、東海大四(札幌)は1日午後、道内勢52年ぶりとなる決勝で敦賀気比(福井)と対戦する。東海大四には、とかち帯広リトルシニア出身の加藤雄人君(2年・札内東中出)が選手登録(投手)されており、母の愛子さん(40)ら家族3人が応援のためアルプススタンド入りしている。昨夏に超スローボールで甲子園を沸かせ、JR北海道に入った同校OBの先輩西嶋亮太さん(とかち帯広リトルシニア出身、帯翔陽中出)も後輩に檄を送った。(菊池宗矩、原山知寿子)
加藤君の母愛子さんは祖父の和博さん(65)、祖母の洋子さん(64)=幕別町在住=と共に、この日も朝早く球場前に着いた。雨の中、決勝を前に観客は増え続け、球場は熱気に包まれた。愛子さんは「3人きょうだいの1番下に生まれ、優しくて人に譲ってしまうところがあり、気持ちが弱いと思っていたが、高校に入り、試合に出たい、レギュラーになりたいと考え方が変わった」と長男の成長に目を細める。
決勝では加藤君の登板も気になるが、「ここまできたら優勝」と東海大四の勝利を祈る。「(息子が出たら)心臓が出る。まだ2年生で投げるチャンスはある。そのときで充分」と心境を語った。
とかち帯広リトルシニアで加藤君を育てた恩師たちもエールを送る。内野手だった加藤君を投手に変更させた鵜嶌卓哉ヘッドコーチは、カットボールなど4種の変化球を投げるようになった教え子に「高校で努力し順調に伸びてきた。投げる姿を見たいが、決勝はチームのためにできることをやって」とチームへの貢献を期待する。
今年1月、加藤君がとかち帯広リトルシニアの練習に顔を見せた際、後輩たちは「甲子園メンバーを目指して頑張ってください」と激励した。加藤君は選抜の1次登録で漏れたが、3月上旬の投球が評価され、ベンチ入りを果たした。リトルシニアで同期だった江陵高野球部2年の伏見勇人君(16)は「練習試合で試合は見られないが、応援している。このままの勢いで諦めず頑張れ」とチームの優勝を地元から願う。
先輩の西嶋さんはこの日午前、札幌市内でJR北海道の入社式に臨んだ後、記者団の質問に答え、「決勝の舞台でも、プレッシャーに負けずに自分たちの野球を」と母校の活躍に期待を寄せた。小川孝平捕手(3年)と朝方、電話で話して「いつも通りの野球をすれば大丈夫」と励まし、「任せてください」と心強い返事があったという。
高橋はるみ知事は3月31日、東海大四に「決勝も自分たちのプレーを全力で出し切ってください。道民の皆さんとともに応援しています」とのコメントを出した。
◆加藤雄人選手について
・とかち帯広7-5で勝利 リトルシニア野球-十勝毎日新聞電子版(2013/05/07)
・5選手、感謝の気持ちで卒団 とかち帯広リトルシニア-十勝毎日新聞電子版(2013/11/05)