400人が復興の思い込め大合唱 花は咲くコンサート
東日本大震災チャリティーコンサート「帯広・十勝に花は咲く」が15日午後、帯広畜産大学講堂で開かれ、出演者と来場者合わせて約400人が被災地への思いを一つに復興支援ソング「花は咲く」を歌い上げた。
同大や十勝総合振興局、企業などでつくる実行委員会が主催し、今年で2回目。会場入り口では募金活動の他、同大の被災地支援活動を紹介するパネルなどが展示された。
帯広稲田小・緑丘小合同合唱部46人が「大きな古時計」など3曲を伸びやかな歌声で披露して開幕。被災地で物資の輸送や慰問演奏を行った陸上自衛隊第5音楽隊による演奏が続き、人気アニメの「ようかい体操第一」では、子供たちも一緒にダンスを踊って盛り上がった。
最後は来場者も加わり、「花は咲く」を大合唱。手に持った歌詞付きのピンク色のうちわが桜のように会場を埋め尽くし“満開の花”を咲かせた。この様子は全国の動画で音楽ビデオを制作するNHKの「100万人の花は咲く」プロジェクトに投稿される。
終了後、実行委員長を務めた同大の長澤秀行学長は「被災地の復興はまだ続いている。皆が花を咲かせる希望を持って生きてほしい」と話した。
コンサートの運営委員長清原三枝子さんも熱唱
「マイクに涙声を拾われないようにするのが精いっぱいだった」。昨年に続きコンサートの運営委員長を務めた帯広市在住の清原三枝子さん(68)=プラン82代表=は被災地域出身の母を持ち、震災発生後の悲惨な状況を見てきた。
清原さんの母ハルさん(96)は福島県南相馬市出身で小学5年生まで過ごした。被災に見舞われた故郷を心配するハルさんを連れ、現地を訪れたのは震災発生から約2年後。土台が崩れた建物が目に入り、「風が吹くと壁が揺れていた」(清原さん)。衝撃的な現実の一方で、ハルさんは自身の幼少期の記憶と重なる部分も多く感動したようだったという。
コンサートのきっかけは復興支援ソング「花は咲く」を知ったこと。歌詞に母の思いや被災地の情景が重なり、「十勝から歌でメッセージを届けたい」と周囲の協力を仰いだ。
清原さんは復興への思いを新たにする。「簡単に『頑張って』なんて言えないけど応援し続けたい。被災者の生活が非日常から日常に戻るまで」
◆復興支援ソング「花は咲く」について
・花は咲くとは-NHK
・NHK「100万人の花は咲く」-NHK
・「花は咲く」 東日本大震災復興支援ソング-NHK出版