十勝ブルズ結成10年 十勝初の女子ソフトボール少年団
十勝初の女子ソフトボール少年団の十勝ブルズ(樋爪克彦代表、山口隆監督、新チームの選手は8人)は、2005年7月の結成から今年で10周年を迎える。昨年1月の第13回トンボ杯争奪全道ジュニア女子選抜大会小学生の部で準優勝、今年の同大会も3位など、十勝のパイオニアとして着実に成長を遂げている。結成から8年間監督も務めた樋爪代表は、「団員たちが懸命にボールを追い、ここまでやってこられた」と感謝している。
全道などで活躍する小学生選手を十勝で育てることを目指し「子供たちの成長の一助に」と発足、05年夏に最初のシーズンが始まった。前例がない中、手探りでチームを鍛え始めた。樋爪代表は「教えているつもりでも、気持ちが伝わらないなど苦悩の連続だった」と振り返る。身近に対戦相手がいないため、管内の中学生と練習試合を行い、ボールの大きさの違いに苦労することもあったと言う。
チームの技術は徐々に向上、プレーも試合らしくなってきた。結成3年目の07年1月には第6回全道ジュニア選抜大会で全道公式戦デビュー。2戦とも大敗だったが、樋爪代表は「一塁コーチャーに立って先頭打者の主将を迎えたときは、急に涙がこみ上げてきて帽子を目深にかぶった」と明かす。09年の第8回大会予選リーグの対銭函ガールズで、13-3と公式戦初勝利を挙げた。
初のメダル獲得は11年1月の第10回大会。3位決定戦で札幌イーグルスに1点リードされた最終回、一死満塁から6年生が三遊間を破る同点打を放つなどしてサヨナラ勝ち。強豪の札幌勢を破り、歓喜の瞬間が訪れた。
13年8月には、地元・帯広の札内川河川敷ファミリー広場ソフトボール専用球場で、第5回ミズノカップ東日本女子大会が開かれた。阿寒との合同チーム(十勝エンブルズ)を結成して臨み、上位進出はならなかったが、敗者戦で栃木県代表の須賀川クラブに延長六回タイブレーカーの12-10で競り勝ち同大会初勝利。昨年の全道ジュニア選抜大会では初の準優勝を飾り、今年も3位と着実な成長を印象付けた。
十勝ブルズは2月22日、節目となる10回目の卒団式を迎えた。卒団した佐川弥夢選手(仙美里6年)は「短い時間だったがありがとう。中学、高校に行っても頑張る」と、少年団で学んだことを生かして今後も活躍することを誓った。木村靖コーチは「これからも今の気持ちを忘れず頑張ってほしい」とエールを送った。卒団生からは中学・高校・大学で活躍する選手も多く、少年団の練習を手伝いに訪れるOGもいる。
最盛期は23人を数えたが、新チームは管内7小学校8人で、新5年生(現4年生)が中心となる。渡辺聖那(せな)主将(稲田5年)は「チームワークが良いチーム。声を出し練習し、監督たちに怒られる前に気づいて行動する」と新たな船出を迎えるチームの目標を掲げた。
十勝ブルズは随時団員を募集している。問い合わせは樋爪代表(090・7649・3024)へ。(菊池宗矩)
<十勝ブルズ・新チームの名簿>
▽代表=樋爪克彦
▽監督=山口隆
▽コーチ=川村一午、木村靖
▽スコアラー=澁谷正茂
▽選手=渡辺聖那(稲田5年)中村美琴(芽室4年)西山果純(開西同)阿部春奈(新得同)川代怜依(緑丘同)佐野絢響(若葉同)長谷川実来(同同)竹ヶ原夢(白人3年)