空襲の記憶DVD化へ 本別
【本別】戦後70年の今年、町教委は「本別空襲」(1945年7月15日、死者40人)の体験者の語りや当時の写真などをDVDにまとめ後世に残す。町内の小中学校などでの教材としても活用する方針で、町教委は「空襲の被害を受けた本別でしかできない平和教育に役立てたい」(中野博文教育長)としている。
町教委ではこれまで、同空襲の体験者からの聞き取りや「語りべの会」での講演、体験者による座談会、同空襲を取り上げたテレビニュースなどをビデオテープやカセットテープで保存している。
保存しているのは町内の5~6人(故人含む)が空襲体験を語ったものを含めビデオテープ24本、カセットテープ3本分。記録は20時間以上に上る。戦争の悲惨さを今に伝える貴重な史料となっている。
媒体史料の劣化を防ぎ半永久化して伝え残そうと、町教委がデジタル化して系統的に編集。被災した町の様子の写真や空襲の弾痕が残るJA本別町「大通り倉庫」(町北5)の解体映像、これまでの空襲企画展の写真など関連資料をまとめる。
DVDは同資料館に保存するほか、平和教育の町教委独自の教材として、町内の小中学校に出向いての出前授業に活用したり、学校へ貸し出したりする。
関連事業も合わせて計画。本別空襲・終戦記念日に合わせて開催している同資料館特別展は今年17回目を数え、「7月15日 本別空襲を伝える~昭和史から見る戦後70年~」と題して7月10~8月16日に開催。今回は広島平和記念資料館から原爆関連の資料を借り受け展示する。
また、期間中、春日居郷土資料館(山梨県笛吹市)の館長で講談師の末利光氏を講師に招き、戦争文学の朗読会・講演会も企画している。町は新年度の関連予算として82万4000円を計上した。町教委では同資料館友の会(高橋利勝会長)の協力も得ながら一連の事業を実施、「戦後70年の節目に、改めて平和の大切さを考える契機としたい」としている。(鈴木裕之)