高倉健さん追悼「幸福のハンカチ陸別ロケ懐古展」始まる
【陸別】昨年11月に死去した俳優高倉健さん(享年83)の代表作で日本映画史に残る名作「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」(1977年、山田洋次監督)の陸別ロケ懐古展(陸別町教委主催)が28日、町役場1階ロビーで始まった。町教委は「町内の若い人にも陸別と健さんのつながりを知ってもらえれば」と話している。
同映画では、77年5月に2回、計1週間にわたり陸別駅舎や駅前の「かわもと食堂」などでロケが行われた。櫻井牧場(弥生)では桃井かおりさんが運転する車が牧草に突っ込むシーンが撮影された。ロケ期間中、健さんやスタッフは浜田旅館に滞在した。
日本を代表する名優をしのび、その代表作が陸別で撮影されたことを知ってもらおうと企画。当時、町企画課で広報担当だった佐久間幹夫さん(71)や浜田旅館の浜田始さん(65)が撮影したり所有したりしている写真を借り受け、パネル大に拡大した。
写真は、櫻井牧場で山田監督が健さんや武田鉄矢さんに演技指導するシーンやロケを遠巻きに見学する町民、スタッフ移動用のロケバスが町内を走るものなど12枚。駅前通りの写真は38年間の時の流れを感じさせる。この他、映画の看板絵やのぼり(いずれも道の駅オーロラタウン93りくべつ内に常設)、ポスターなども展示している。
浜田さんは「ロケ地としては夕張があまりにも有名だが、陸別でのシーンは意外に多い。映画を見てもらい陸別に足を運んでもらうきっかけになれば」と話し、佐久間さんは「健さんのような素晴らしい俳優は二度と出てこない。転機になった映画なので、多くの人に見てもらいたい」と口をそろえる。
2月10日まで(土・日曜除く)。午前9時~午後5時半。(鈴木裕之)