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子供と入所者を年賀状がつなぐ 音更

晩成学園の入所者宛てに書いた年賀状を披露する1年生の坂本実環さん、中川茉耶さん、中川歩希さん(左から) 

 【音更】東士狩小学校(佐藤充弘校長、児童38人)の児童が学校近くの知的障害者施設「晩成学園」(町東士狩西6の47、菅原資之施設長)の入所者に2年前から手書きの年賀状を出し、入所者を喜ばせている。以前は相互訪問の交流を実施していたが、今は年賀状が学校と同学園を結ぶ唯一のよりどころとなっている。

 同校と同学園は、道道川西芽室音更線を挟んで向き合い、以前は、学習発表会の後、児童が同学園を訪れ、器楽演奏を披露したり、学校の運動会には同学園の入所者が来校し、徒競走などに出場するなど交流があった。

 しかし、入所者の高齢化や学校のカリキュラムに余裕がなくなり、交流が途絶えた。交流を復活させたのは佐藤校長。「幼いうちから障害者と健常者がともに暮らす共生社会に関心を持ってほしい」との考えだった。年末年始に帰宅できない入居者が相当数いると聞き、年賀状を思いついた。

 製作には、学園側が年賀状を希望する入所者を把握し、名前を学校側へ伝える。来年用は、入所者88人中78人分を製作し、低学年1枚、中学年2枚、高学年3枚書き、24日に投函した。

 児童は、年始のあいさつの他、「テストで頑張っている」など近況を伝え、えとの未(ひつじ)、こま、餅などのイラストを色鉛筆や蛍光ペンなどで描いた。1年生の中川歩希さんは「友達宛ての年賀状も書いている。難しくなかった」と笑顔を見せた。

 最初の年は、学園から返事がないことに不満を漏らす児童もいたが、最近はその理由も分かるようになってきた。佐藤校長は「年賀状がベストの交流とは思わない。ただ、今の環境下ではこれ以上の活動も難しい。つながりは切らないようにしたい」と話す。

 晩成学園の五十川泰弘支援課長は「年賀状を受け取った入所者は喜んでいる。地域との交流は大切にしたい」と児童に感謝している。(平野明)

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